ノルウェー人の45%が新たな油ガス田に賛成、続く石油と環境議論

環境青年団体が政府に対してデモ Photo: Asaki Abumi

「気候の観点から、これ以上ノルウェーの地にある油ガス田で新たな生産井を掘削するべきではない」と、24%のノルウェー人が考えていることが判明した。調査は環境団体「未来は私たちの手に」がRespons Analyse調査会社に依頼したもの。

ノルウェーの左翼新聞として知られるダーグスアヴィーセン紙では、「4人に1人のノルウェー人がこれ以上の石油にノーと答える」という大きな見出しが4日に出た。環境団体や「緑の環境党」は、「すでに4人に1人が石油とお別れしたいと思っている」とポジティヴに捉えた。

立場を変えれば、45%、4人に3人もの人が、気候変動対策よりも新たな石油掘削・生産が重要ということになる。

ノルウェーは国際的には環境先進国のイメージが強いかもしれないが、自国で石油・ガスエネルギーからの利益に依存しており、「環境に優しい国」という言葉は必ずしも正しいとは言い難い。一方で、環境議論は連日のように繰り広げられている。右派・左派のどちらの政権になっても、大政党は石油・ガス事業の続行には積極的で、反対しているのが小政党だ。

「緑の環境党」は新規の石油事業を一切拒否する姿勢で今年の国政選挙に臨むが、「非現実的で、理想郷に生きている人々だ」と批判も浴びている。

ノルウェーでは、願わくば、石油・ガスにはこれ以上頼らない経済を目指したいと多くが思っているかもしれない。だが、現実的には代用となる事業がなく、雇用の減少につながるであろうことから、政治家の間で「オイルにNO」という政策は不人気だ。

現在の政府は保守党と、「石油政党」とも自負するポピュリストの「進歩党」との連立政権。「石油採掘も道路建設もどんどん進める!」との進歩党の姿勢は、「排出ガス量を増やす」として環境派から不人気だ。しかし、その環境派は、現実的な大替案と雇用対策が打ち出せていない。

今回の調査には18歳以上の509人の男性、503人の女性が回答。女性の中では33%、男性の中では16%が「これ以上の石油には反対」と表明。

年齢層の高い人ほど石油事業に賛成という結果もでた。まだ学生で働かず、納税額が低い若者ほど石油事業にはこだわりが薄く、企業で働き経済の流れを知る人ほど石油事業を簡単に拒否できないという傾向は以前から指摘されている。

24%が石油にノー、45%が石油にイエス、31%が「特に意見はない」とした。将来的にはこの31%がどう動くかによっても世論は変化するとみられている。

Photo&Text: Asaki Abumi