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メトロポリタン美術館 11/20に生まれ変わる(年末年始のニューヨーク観光の参考に)

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(c) Kasumi Abe

世界三大美術館の一つ、ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art、以下The Met)ではこのほど館内の一大改修プロジェクトが完了し、11月20日にリニューアルオープンする。

The Metの最大の目玉展示の一つは、世界中から収集した主に18世紀以前のヨーロッパ芸術のセクション「45 European Paintings galleries」(1300–1800 European Paintings galleries)。The Metの入り口から入り、ロビーの奥にある階段を上ったすぐの場所にある一大ギャラリー(展示室)に作品が広がる。改装のため今年3月よりクローズしていたが、20日からいよいよ新しい展示室が一般公開される。

この生まれ変わったセクションは45の展示室に分かれている。ここでは歴史的価値のあるヨーロッパ(および一部南米)の、主に18世紀以前の名画や彫刻、宝飾品など700点以上が展示され、リニューアルに伴い再構成されている。

メインで行われた改修工事は、天井にある巨大な天窓だ。1939年の建設以来、1952年に一度改造されたが、劣化が進み問題になっていた。そこでリニューアルプロジェクトが2018年にスタートし、コロナ禍を経て5年かけて完成した。通常、美術館内は芸術品の劣化を防ぐために自然光を遮断し暗めだが、改修工事により、この大きな天窓を生かし、優しい自然光を取り入れた特別な照明を実現させた。これにより作品の細部をチェックできるなど、新たな美術鑑賞が体験できる。

新しくなった天窓と照明。(c) Kasumi Abe
新しくなった天窓と照明。(c) Kasumi Abe

展示スペース(展示室600~644)は広すぎて迷子になりそうだが、主に以下のように分かれている。

「イントロダクション」のコーナーから...

  • 左側(展示室602~612):主に1600年以前の作品
  • 奥(展示室613~625):主に1600~1700年の作品
  • 右側(展示室626以降):主に1700~1800年の作品

ピカソの『盲人の食事(The Blind Man's Meal)』や『役者(The Actor)』など、一部は20世紀初頭の名作も含む(展示室619番)。(c)Kasumi Abe
ピカソの『盲人の食事(The Blind Man's Meal)』や『役者(The Actor)』など、一部は20世紀初頭の名作も含む(展示室619番)。(c)Kasumi Abe

自分の見たい時代と作品を中心に、効率的に回るのをおすすめする。なぜならこの展示スペースで目にする芸術品は、The Metの「ほんの一部」だから。

(Text and photos by Kasumi Abe) 無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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