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大気汚染警報発令のNY「6月7日の空はこうだった」。友人から届いた各地の様子

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(写真:ロイター/アフロ)

カナダ東部で5月末から続く大規模な山火事の影響で、アメリカ北東部は深刻な大気汚染に見舞われている。7日、ニューヨークの空も煙で暗く霞み、キャンプファイヤーをした後のような焦げ臭い匂いがうっすらと漂った。

筆者はこの日、取材のため市内北部のブロンクス区にいた。午前中は天気が悪くやけに暗いという程度の受け止めだったが、午後になると空気はさらに霞み、空がオレンジ色に変わっていることに気づいた。

市の大気の質は1960年代以降「最悪レベル」だと報じられた。咳、呼吸困難、喉の不快感、目の霞みなど健康被害を訴える人も出ている。普段はほとんどマスクをしないニューヨーカーも、この日は9割ほどの人がマスクを着けていた。まるでパンデミックの悪夢に逆戻りしたかのような光景だ。

筆者も約1年ぶりにマスクを着けた。夜からなんとなく頭が重いが、大気汚染が原因か否かは不明である。

写真:ロイター/アフロ

7日の時系列の映像はこちら。朝からどんよりとした天気だったが、正午ごろから一気に視界が悪くなったことがわかる。

市内各地に住む友人にこの日の写真を撮影していないか聞くと、続々と届いた。そして面白いことにそれらの写真はすべて、もっとも上空が霞んだ午後2時前後に撮られたものだった。

マンハッタン(ダウンタウン、ユニオンスクエア)

2pm

撮影:Naomi Haig
撮影:Naomi Haig

マンハッタン(ビジネス街ミッドタウン)

2:45pm

撮影:筆者友人
撮影:筆者友人

マンハッタン(アップタウン、ハーレム)

2pm

撮影:筆者友人
撮影:筆者友人

ブロンクス(ヤンキース球場近く)

1:57PM

撮影:Kasumi Abe
撮影:Kasumi Abe

クイーンズ(イーストリバー沿いのアストリア)

2:13PM

左奥のマンハッタンの摩天楼が、今日は霞んでいてほとんど見えない。撮影:Chika Bullock
左奥のマンハッタンの摩天楼が、今日は霞んでいてほとんど見えない。撮影:Chika Bullock

ブルックリン-クイーンズ(ハイウェイのBQE)

1:48PM

大渋滞のハイウェイ。普段ならこの先にマンハッタンの摩天楼が広がるが...。撮影:筆者友人
大渋滞のハイウェイ。普段ならこの先にマンハッタンの摩天楼が広がるが...。撮影:筆者友人

米東部で大気汚染警報が出され、メジャーリーグのいくつかの試合、ミュージカルやコンサートなどは延期や中止となり、動物園や図書館も午後から閉鎖した。視界不良のため市内の一部の空港で離着陸が停止し、空の便も混乱した1日となった。

(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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