開幕投手12人異例競演に明暗…無失点は日ハム有原とソフトB東浜で最多9奪三振は巨人菅野…ワーストはロッテ石川8失点
12人の開幕投手が一斉に揃い踏みするという珍しい現象が起きた。12日に行われた練習試合の6試合、12人の先発投手は、全員が開幕に指名されている投手。中6日で19日の開幕戦に向かう算段だ。無失点でマウンドを降りたのは日ハムの有原航平(27)、ソフトバンクの東浜巨(29)の2人。一方、最多失点はロッテの石川歩(32)の8失点。それぞれが期待と不安を胸に12人の開幕投手が最終調整を終えた。
阪神の西は熟練の仕上がり
これも新型コロナの影響だ。例年、開幕投手のオープン戦の最終登板日は、一人、二人はずれるものだが、今季は12試合しかない練習試合の日程の都合上、12人の開幕投手が一斉にマウンドに立つという異例の事態となった。12人の最終登板の内容を振り返ってみると調整状況の明暗が少し透けて見えた。 無失点に抑えたのは日ハムの有原、ソフトバンクの東浜の2人だけ。3年ぶり2度目の大役に挑む有原は巨人打線を相手に5回、4安打、2奪三振、1四球の内容。落ちる変化球を低めに集めて6つのゴロアウト、わずか65球の打たせて取る投球を徹底した。3年前は西武相手に6失点KOとなり開幕投手の役目を果たせていない。今回の開幕カードは同じく西武戦である。 ソフトバンクの東浜は広島戦で3回を1安打3奪三振と短いイニングでの最終調整。打球が足に当たるアクシデントがあり大事をとっての降板となったが、最速は151キロをマーク。絶対的エース、千賀の調整不足もあって8年目で初の開幕投手に指名された東浜は、「着実に前に進んでいる」と手ごたえを口にした。 1失点に抑えたのが、2年ぶり6度目、球団史上最多タイの開幕投手を務める則本昂大(29)と、阪神の西勇輝(29)だ。 則本はヤクルト戦で初回に山崎にソロアーチを許したが、5回を5安打2奪三振1失点にまとめた。初回からセットポジションで投球に入るなど「バッタバッタと三振を取る」というイメージは捨てて安定感重視。連戦が続く今季のタフなシーズンを全うすることをイメージしているのだろうか。2年ぶり2度目、阪神では初の開幕投手となる西は、古巣オリックスを相手に5回6安打1失点で好仕上がりをアピールした。低めをつく丁寧な技術とフォームの緩急は熟練の域。 対するオリックスの開幕投手の山岡泰輔(24)は2年連続2度目の大役。阪神打線に4回を投げ5安打2失点したが、修正力と、武器である大きな変化球の落としどころは抜群で、ボーア、マルテ、サンズと3人の外国人を並べた阪神打線に一発を許さなかった。オリックスは2010年以来、開幕勝利がなく、山岡への期待は大きい。