プロ野球CS開催…セ、パの足並みを揃えるべきか?
6月19日のプロ野球開幕までいよいよ10日を切った。全球団の開幕前から1か月毎のPCR検査の実施も決定。当面は無観客だが、練習試合では各スタジアムの感染予防のリハーサルも十分に進んでいる。交流戦、オールスターの中止は決定したが、レギュラーシーズンは120試合を確保、日本シリーズは11月21日から開催予定だが、残る問題はクライマックスシリーズ(CS)の開催可否だ。セ・リーグは中止、パ・リーグは日程を短縮するなどして開催したい意向でセ、パの足並みが揃わない可能性が濃厚となっている。日本シリーズの価値も含めて多くの問題が残りそうだ。
CS無ければ消化試合が増える危険性
当初の予定ではCSは10月24日から11月2日まで開催予定だった。約3か月遅れの開幕で、その日程は、後ろにずれ込むことになるが、”ゴール”である日本シリーズの11月21日開幕は内定したが、CSの開催予定はまだ明らかにされていない。複数の関係者によると、セ、パの方針はハッキリと分かれている。セは、甲子園、マツダ(広島)、神宮球場、横浜スタジアムの4か所が屋外球場で、ZOZOマリン(千葉)と楽天生命パーク(楽天)の2球場だけが屋外球場のパに比べて雨天中止のリスクがあるため、CSを中止にしレギュラーシーズンの日程消化に備えたいとの意向。 一方、セに先駆けて2004年からプレーオフを導入してきたパは、大きな収入の見込めるCSを中止にしたくない。日程短縮や、1、2位対決のファイナルステージだけにしてでも開催したい考えで、セ、パの足並みが乱れている。 2004年から2006年は、パだけがプレーオフを採用しており、もっとさかのぼれば、パだけが、人気を集めるため、シーズンの前後期制を敷いていたこともある。セ、パの試合運営方式がバラバラだった時代はあるのだが、日本シリーズで対戦するセ、パの代表チームの決定方式が違うのでは、公平性に欠けるなどの問題はある。 阪神・レジェンド・テラーの掛布雅之氏も、「元々は、消化試合をなくそうという意図でCSは始まったはず。レギュラーシーズンが143試合から120試合に減った影響がどう出るかは、蓋をあけてみなければわからないが、開幕ダッシュに成功したチームが、そのまま逃げ切ってしまう可能性だってある。そう考えると消化試合を作らないためにCSは必要かもしれない。ましてセ、パで足並みが揃わないのはいかがなものか」と疑問を呈する。