開幕投手12人異例競演に明暗…無失点は日ハム有原とソフトB東浜で最多9奪三振は巨人菅野…ワーストはロッテ石川8失点
この日の最多奪三振は、3年連続6度目の開幕投手となる巨人の菅野智之(30)の9個だ。日ハム打線を相手に最速153キロをマーク。渡辺、かつての同僚、宇佐見にソロアーチを許したが、練習試合の打率が6割を超える近藤から連続三振を奪うなど変化球のキレも制球力も万全に近かった。ここ2年、開幕戦を落としている菅野が開幕の阪神戦に勝てばチームにとって通算6000勝のメモリアル勝利となる。 この日の奪三振数で菅野に続くのが、中日戦で毎回の8個の三振を奪った横浜DeNAの今永昇太(26)。2年連続2度目の開幕を任せられる今永は、5回を84球、7安打3失点。圧巻は3回の三者連続三振。平田、初回にアーチを浴びているアルモンテを得意のスピンの効いたストレートで連続三振に打ち取ると、4番のビシエドにはボールになるチェンジアップを振らせた。150キロをマークしたストレートとカットボールのキレは上々。 奪三振数の3位は、阪神の西と2年連続2度目の開幕投手となる広島の大瀬良大地(28)の7奪三振。大瀬良はソフトバンク戦で6回を投げ柳田にカーブを片手でスタンドにまで運ばれるショックな被弾もあって3失点したが、新しく取り組んでいるシュートが投球の幅を広げた。 一方、最終登板でのワースト失点は、ロッテの石川だった。コントロールミスをした変化球をことごとく“山賊打線“に打たれ、4回10安打8失点。初回に山川に3ランを浴び、投手から野手転向して2年目の川越にも一発を打たれた。試合後、井口監督も、「球自体は悪くなかったけど、西武打戦が相手なので、低めに丁寧に投げないといけないね」と注文をつけた。 石川は2年連続2度目の開幕抜擢。当初、楽天からFA移籍した美馬が開幕投手を務める予定だったが、脇腹を痛めて石川が指名された。3月20日の時点から新型コロナの影響で開幕が延期され、当初の予定が変わったのは、12人中石川一人。調整の難しさはあったのだろう。 仲良く崩れたのが、西武のニール(31)。昨年は11連勝して優勝に貢献したが、5回8安打6失点と乱れた。5日の中日戦でも5回9安打5失点で、2試合続けての試運転失敗。問題はいずれもコントロールで調整不足だ。 「満足できなかったのは結果だけだ。登板を重ねるごとに100%の出来に近づきつつある」とニールは語ったが、残り6日間で調整不足を埋めるしかないだろう。