開幕投手12人異例競演に明暗…無失点は日ハム有原とソフトB東浜で最多9奪三振は巨人菅野…ワーストはロッテ石川8失点
同じく6失点と炎上したのが、3年ぶり3度目の栄誉ある指名を与田監督から受けている昨年の防御率タイトルホルダー、中日の大野雄大(31)だ。5回11安打6失点。コントロールが甘く失投が目立った。横浜DeNAの強力打線を支えるソト、オースティン、ロペスに一発を含む5安打を打たれたのも嫌な印象を残した。 そして12人の開幕投手のうち、最多の回数を誇るのが、3年ぶり9度目となるヤクルトの石川雅規(40)だ。この日の楽天戦では、4回2/3を投げ3安打5奪三振2失点の安定した内容。走者を背負ってからが真骨頂で4回は一死満塁のピンチにも太田をシュートで攻め併殺打に打ち取っている。40代での開幕投手は1998年に当時、42歳だった広島の大野豊氏以来、22年ぶり5人目の偉業。高津新監督が3月の開幕の時点指名していた。 阪神が日本一となった1985年に開幕投手を務めた経験のある評論家の池田親興氏は、「これほど調整が難しい年はないと思う。12人中11人は3月20日の時点で一度決まったメンバー。この間、野球ができるかできないかもわからない精神状態の中でモチベーションを維持しコンディションを整えるのは相当に厳しい作業。最終登板は明暗が分かれたが、実戦の数が圧倒的に少ない中、よく仕上げてきたというのが正直な感想だ。今年の開幕には、投げてみないとわからない、というぶっつけ本番的な要素が多いが、12人には選ばれたプライドと覚悟を持ってマウンドに向かってもらいたい」とエールを送る。 そして池田氏は、「今年は、セ、パ共に6連戦が軸になる変則日程。ローテーの軸になる開幕投手は大事だが、開幕時点で計算の立つ先発を6枚揃えられるかどうかが、さらに重要なキーワードになる。そして連戦の中で中継ぎをどう起用していくのか。ベンチワークが大切になってくるだろう」とポイントを解説した。 イレギュラーなシーズンのペナントを制するためには開幕投手だけでなく6人の先発投手の顔ぶれと、ブルペンをどう充実させるか、どう回すか、が重要な要素となりそうだ。