ラストの箱根駅伝へ、法政大の小泉樹主将「最後は1区を走りたい」 祖父は早稲田大の元箱根ランナー
キーマンになるのは4年生
法政大の選手たちが得意とするのは、箱根の区間を見据えた長い距離だ。全6区間45.1kmで競う出雲路の成績だけでは判断が難しい。坪田監督が箱根駅伝のキーマンに挙げるのは4年生。駅伝メンバー外となる選手たちのサポートも必要不可欠である。高い目標を目指すチームの雰囲気をつくるのは、最上級生の役割と位置づけ、スタートラインに立つ主力にも、責任を持って走ることを求めている。 「必ずしも区間賞を取ることではなく、与えられたタスクを確実にこなすのが4年生の仕事です」 出雲駅伝の最終6区を任された宮岡幸大(4年、宇和島東)は区間10位と思うように走れずに坪田監督から厳しい評価を受けたが、主力の一人であることに変わりはない。4年目の箱根駅伝は、気負わずに走ることを心に誓う。 「僕は箱根で陸上競技を引退するので、まず楽しみたいと思っています。後悔のないようにやり切る。その上で4年生として、チームを勢いづける走りをしたいです」
主将の小泉樹が鼓舞「現状に満足してほしくない」
出雲路の3区で区間6位と安定した走りを見せた主将の小泉は、チームの機運を高めるためにミーティングから仲間たちの意識変革に取り組んでいる。箱根路は1年時に3区で出走して11位、3年時に4区で12位。大舞台の厳しさを知る4年生は言葉に力を込める。 「いままでは法政で主力になればいい、という考えの選手たちが多かったと思います。それでは、目標は達成できません。優勝を目指すような大学にも勝たないといけない。チーム内の競争をもっと激しくするために、『現状に満足してほしくない』と言い続けています」 ひと夏を越え、選手層は厚くなってきた。練習からより切磋琢磨(せっさたくま)するようになり、主力のレベルアップには手応えを感じている。小泉自身、充実した夏を過ごした。「練習の量と質は、今年が一番いいです」と胸を張る。 11月の上尾シティハーフマラソンでは1時間2分13秒と自己ベストを更新して6位入賞を果たした。箱根駅伝の個人目標は、主要区間で区間3位以内で、あえて自らにプレッシャーをかけている。入学時から憧れてきた区間への思いも隠そうとはしない。祖父の真二良さんは早稲田大で1965年から1968年にかけて、4年連続1区で出走。物心ついたときから大手町のスタートラインに立つことを夢見てきた。 「最後は1区を走って終わりたい。練習のときから、区間は意識しているので。ずっと思いは持っています」