鹿島の怒涛6連勝に21歳”未来ホープ”GK沖悠哉の不敗神話
40秒あまりの間に2度もビッグセーブを演じて、鹿島アントラーズを最後尾から鼓舞した。常勝軍団のゴールマウスを託されてまだ8試合目の21歳、沖悠哉が放つ存在感がそのたびに大きくなった。 6連勝で2位につけるセレッソ大阪のホーム、ヤンマースタジアム長居に乗り込んだ19日の明治安田生命J1リーグ第17節。後半開始早々に決まった、FWエヴェラウドの3試合連続ゴールで2-1とリードを奪ったアントラーズを同26分、27分と立て続けにピンチが襲った。 最初のピンチはセレッソのキャプテン、MF清武弘嗣が右サイドから放った直接フリーキックが発端となった。マークするDF小泉慶を振り切り、フリーで飛び込んできたセンターバックのマテイ・ヨニッチが放った強烈なヘディング弾を、沖が右へ横っ飛びして両手でゴールラインの外へ弾き出した。 ピンチはまだ続く。清武が放った右コーナーキックがペナルティーエリアの外へこぼれたところを、今度はボランチのレアンドロ・デサバトに拾われる。右足で蹴る体勢を整え、巻くような弾道でゴール右を狙ったデサバトの一撃も、右へダイブした沖が再びコーナーキックへと変えた。 「シュートストップに関しては、コースが少し甘かったこともあるので、反応できたことはよかったと思っています。ただ、まだまだ改善できる余地があるんじゃないかと。例えばセットプレーのときのマークを厳しく要求することで、未然に防ぐことができたと思っているので」 自らがもっと大きな声を出して、もっと口を酸っぱくして味方を動かせばヨニッチはシュートすら放てなかったと言いたいのだろう。セーブする前のやり取りに反省点を求めた若き守護神は、約40秒後に訪れた、デサバトのシュートをセーブした場面も謙虚さを忘れることなく振り返っている。 「シュートモーションとかで何となくこっちかな、というイメージはもっていましたけど。実際、どちらに来るのかがわからないなかで、上手く(読みが)当たったかな、という気持ちです」