産後ダイエットはいつから始めると効果的?~食事や運動を医師が解説~
当記事は、一般社団法人健幸会 シンクヘルスクリニック 代表理事・院長 大村 美穂先生に監修いただき 、執筆は管理栄養士 白石香代子が担当しました。 【画像】産後ダイエットはいつから始めると効果的?~食事や運動を医師が解説~ 「妊娠中、予想以上に体重が増えてしまった…」 出産後の体重を減らすのはなかなか難しいものです。 すぐにでもダイエットを始めたいという気持ちは分かりますが、産後の体は非常にデリケートなので、始めるタイミングや取り組む内容を工夫しなければなりません。 そこで今回は、産後ダイエットを始めるタイミングやダイエット方法について解説します。 授乳中の食事や、産後とくに気になるお腹や足など下半身を引き締める運動方法までお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
産後ダイエットはいつから始めていいの?
産後2-3ヶ月を過ぎた頃から、少しずつダイエットに意識を向けるのが良いでしょう。出産を終えたあなたの体は非常に疲れている状態ですので、産後1-2ヶ月はしっかり体を休めて回復させます。 産後の1ヶ月半~2ヶ月頃までは産褥期(さんじょくき)という、体が妊娠前の状態に戻ろうとする期間です。産褥期の体は、ホルモンバランスを妊娠前に戻したり子宮を少しずつ小さくしたりと、体の変化が非常に大きい時期です。この時期は、体重の減少よりも体の状態を産前に戻すための活動を優先します。 そこで、産後ダイエットをはじめるなら産褥期を過ぎ、赤ちゃんとの生活に少し慣れた頃からダイエットを始めるのがよいでしょう。 ※身体の状態には個人差がありますので、ご自分の体調と相談しながら始めることをおすすめします。
効果的な産後ダイエット~食事編~
ダイエットの基本は食事と運動です。 しかし、赤ちゃんのお世話に手いっぱいで食事内容を充実させたり、定期的に運動をするのは難しいですよね。 そこで、育児との両立ができるよう、ポイントを絞ってご紹介しましょう。 ●食事はバランス重視 産後は無理な食事制限をするのではなく、食事全体のバランスを整えるよう意識するとよいです。 よく「授乳でダイエットできた」という体験談を耳にします。 たしかに「日本人の食事摂取基準2020」によると、授乳期は妊娠前よりも+350kcal必要とされています。妊娠前と同じカロリーの食事を摂っていると摂取カロリーが少なくなるため、痩せる可能性が考えられるでしょう。 しかし、授乳を行いながら極端な食事制限をしてしまうと、授乳期に大切な栄養素が必要量摂れなくなってしまいます。そのため、まずは栄養バランスの良い食事を1日3食しっかり摂るようにします。 たんぱく質やビタミン、ミネラルを意識的に摂るために、低脂肪・高たんぱく質の白身魚や大豆製品、野菜、キノコなどを積極的に食べると良いです。 具体的には定食スタイルで、主食(ごはん、パン、麺)・主菜(肉、魚、卵、大豆製品)・副菜(野菜、きのこ、海藻、くだもの)を揃えると、食事全体のバランスを整えやすいですよ。 また、お菓子による間食は極力控えましょう。もし食事前にお腹が空いてしまったら、果物や乳製品など食事では摂り切れない栄養素を補えるものにするとよいです。 ●野菜から食べるのも良い 赤ちゃんが寝ている間に食べよう…など、さっと食事を済ませたい時は、たまごかけご飯や納豆ごはんなど短時間で食べ終われるメニューばかりになりますよね。 たまごや納豆やごはんも主食と主菜の組み合わせなので、悪くはありません。 ただし、ダイエットをしつつも授乳期に必要な栄養を補うためには、野菜をたべてから主食や主菜を食べるようにするとよいでしょう。野菜から食べる方法をベジファーストといいます。 べジファーストでは、食物繊維の多い野菜やきのこ類、海藻類を先に食べてから、次に肉や魚などのメイン、最後にご飯を食べます。 この方法ですと糖質の吸収が緩やかになり、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌量を抑えることができます。インスリンは過剰分を脂肪として体内に蓄積する働きもありますので、ベジタブルファーストも有効なダイエット手段といえますね。 常備菜を用意すれば手軽に食べられますが、用意する時間がない時はスーパーの惣菜でも大丈夫です。 野菜(いもやかぼちゃんなどは除く)、きのこ、海藻類を使っている惣菜を選んで食べれば、時間がない時でも簡単にベジファーストができますよ。 ●水分はしっかり摂る 授乳中はたくさんの水分を母乳に取られますので、十分な水分補給が必要です。 一方で、ジュースやスポーツ飲料には糖分が多く含まれていますので、産後ダイエットをする際の水分補給には向きません。水やお茶(麦茶など)といったカロリーがないものを選ぶとよいでしょう。 水分は体のめぐりをよくし、代謝を上げるのにも役立ちます。