ジェフ千葉のJ1昇格に全力を注ぐ米倉恒貴のサッカー魂はどうやって培われてきたのか
ベテランプレーヤーの矜持~彼らが「現役」にこだわるワケ第8回:米倉恒貴(ジェフユナイテッド千葉)/前編 【写真】2024年、サッカー界の「ドラ1」選手たち 「本当に、今年のジェフはすごくいいチームなんです。今年というか去年も、ですけど。みんなにジェフを見てくれって言いたくなるくらいまとまった誇れるチームだし、その一員としてプレーできていることを幸せに思います。 慶行さん(小林監督)、コーチングスタッフが日々全力で向き合ってくれているのもわかるし、僕たち選手はそれを感じて、結果で応えたいと全力で戦えている。ファン・サポーターのみなさんも毎試合、すごくいい雰囲気を作り出してくれていますしね。 だからこそ、このチームで昇格したい。自分でも驚くほどそれを毎日、毎日、願ってシーズンを進んできた気がします。残念ながら僕自身はケガを繰り返して、なかなかピッチに立てていないんですけど、とにかく今はチームのために、少しでも力になることを、と思っています」 2019年夏、古巣に復帰し、6シーズン目を戦っている米倉恒貴に、今年のジェフユナイテッド千葉について尋ねると、清々しいまでに言いきった。正直、驚いた、というのが率直な感想だ。 本人も自覚しているとおり、若い頃から生粋の"負けず嫌い"で知られた米倉だ。2014年から5年半にわたって在籍したガンバ大阪時代も逆境を反骨心に変えて立ち向かい、ミラクルを起こす姿を繰り返し見てきた。 その彼が、自身はピッチに立てていない状況にもかかわらず、心からチームの勝利を願い、「チームのためにできることを」と言う。そこに、どんな心境の変化があったのかと尋ねると「驚きますよね」とイタズラっぽく笑った。 「ピッチに立てずとも『力になれれば』なんて、本来、ベテラン選手の逃げ言葉ですから。僕は、正直、好きじゃない。プロである以上、プレーで示し、引っ張らなければいけないと思っているし、だからこそ、ケガさえなければ、と思う気持ちも正直あります。