はやぶさ2は「成功の基準を達成」JAXA会見6月29日(全文1)
「はやぶさ2」プロジェクト解散、拡張ミッションに移行
吉川:では説明のほうに入りたいと思います。まず画面のほうを共有いたしますね、ちょっとお待ちください。では、お待たせしました。「はやぶさ2」の久々の、ハイブリッドですが、対面の記者説明会になります。なんか懐かしい感じがいたします。まず早速、目次をご覧いただきますと、今日の内容なんですが、今日はこのように体制変更についてということで、このあと詳しい話がありますけれども、「はやぶさ2」プロジェクトのほうが解散となって、拡張ミッションに完全に移行するということで、この節目に皆さんにご説明をするということになります。 内容的には、最初に「はやぶさ2」プロジェクトの成果、次に拡張ミッション、さらにリュウグウのサンプルの配布についても追加情報ということでお話しするんですが。話は、「はやぶさ2」プロジェクトの工学的な成果とかプロジェクト全体は津田のほうから、理学的な成果は渡邊先生から、「はやぶさ2」拡張ミッションにつきましても、概要スケジュール等は津田および三桝からお話しして。あとリュウグウのサンプル配布につきましては臼井のほうからのお話ということになります。私のほうは、そのほかの雑多なことをお話ししたいと思います。では早速3ページ目から入っていきたいと思います。では津田さん、お願いします。
9つの世界初を含む工学成果など
津田:「はやぶさ2」プロジェクトマネージャの津田です。今日はお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。今、吉川からもありましたとおり、「はやぶさ2」、ここまでやってきまして。6月30日、あした、JAXAの中の体制としては、「はやぶさ2」プロジェクトの解散ということになります。そういう意味じゃ今日、「はやぶさ2」プロジェクトとしては最後の記者会見ということで、ここまでずっと「はやぶさ2」の動向に注目していただいて、たくさんの記者さんの方にも来ていただいて、本当にどうもありがとうございます。 これから先、「はやぶさ2」のプロジェクトの成果を総括したようなお話を最初にさせていただきたいと思います。じゃあ3ページからなんでけれども。「はやぶさ2」のプロジェクトは、JAXAの中の審査、1年半以上いろんなことを積み上げてきまして、成功の基準を達成したという判断に至りました。従前から申し上げていた9つの世界初というものを含む工学成果や、あるいは学術誌、【シ**シ 00:09:11】を含む多数の論文で発表された理学成果を上げることができました。拡張ミッションを含めて今後の新たな可能性を切り開くことができたというところも成果だというふうに考えています。 4ページにいきますと、これ「はやぶさ2」プロジェクトがミッション立ち上げのときに、最初に宣言していた、これをやれば成功だよっていう基準になります。実際、JAXAの中の事業上もこういう文章を使って成功基準を満たしたか満たしてないかと、あるいは開発の技術レベルは達してるか達してないかということをやってきてました。ご覧いただいたら分かりますように、全てグリーンに塗られているということで、全ての基準を満たしたということが判断されましたということです。 これ、見方ですけれども、縦にミニマム、フル、エクストラという列が並んでおります。ミニマムっていうのはプロジェクトが設定する最低限の合格ラインですね。これが合格しないと「はやぶさ2」、事業としての「はやぶさ2」は成功ではないというラインです。フルサクセスは、これはもう勝利宣言というか、100%成功したというのがフルサクセスです。エクストラサクセスっていうのは、最初から成功できるかどうかが保証されない領域ですね。これは相手がいる、あっての話なので、リュウグウという。リュウグウの環境、あるいはわれわれの技術レベルが良ければ挑戦するラインということを設定しておりました。