声優・松野太紀さん56歳で逝去 死因の「脳出血」の初期症状・予防法を医師が解説
脳卒中の前兆となる初期症状
脳卒中の前兆となる症状をご紹介します。下記は代表的な症状に留めているので、いつもと比べておかしいなと感じた場合には脳卒中を疑い、すぐに脳神経内科もしくは脳神経外科を受診してください。 ・片側の手足の麻痺 脳梗塞の前兆として、一過性脳虚血発作(TIA)という症状があります。このTIAでの典型的な症状として、一時的に片側の手足の麻痺が出現することがあります。数秒で元に戻ることもあれば何時間も症状が続いてしまうケースもあります。 TIAも脳の血管が詰まり一時的に脳に血が届かなくなることで発症するものです。脳梗塞になりかけたと言えるため、この時点ですぐに医療機関を受診し脳梗塞の予防について医師と相談しましょう。 ・言葉が出ない、喋りづらい 一過性脳虚血発作(TIA)の症状で見られますが、言葉が出てこなかったり喋りづらかったり、呂律が回らないなどという言語障害が出現することがあります。これは、手足の麻痺と一緒に出現することもあります。しばらくすると症状はなくなり元通りの様子に戻りますが、TIAは血管が詰まってしまうという脳梗塞と同じような病態であることから、早く治療介入する必要があります。 ・片側の感覚障害 こちらもTIAの症状として、半身の感覚が鈍くなったり、異常な感覚を訴えたりすることもあります。感覚障害には触ったことがわからなくなったり、逆に過敏になってしまったりする触覚異常、物の温度がわからなくなる温痛覚異常、真っ直ぐ立っていられなくなる深部感覚異常などさまざまな種類があります。 ・頭痛 くも膜下出血の前兆として約2割の人が頭痛を経験します。これは警告頭痛と呼ばれ、破裂寸前の脳動脈瘤から少しだけ血が漏れる(マイナーリークする)ことで症状が出現します。この漏れの後、破裂せずに小さな穴が自然に塞がることもありますが、脳動脈瘤が完全に破裂してしまえば、そのまま本格的なくも膜下出血へと移行してしまいます。 警告頭痛はそれほど強い頭痛ではなく、その性状は片頭痛のようにズキンズキンと痛むケースもあり、様子見して良いものかどうか判断するのが非常に難しいです。突然の頭痛であること、悪心・嘔吐、めまい、意識状態の変化、視力障害といった合併症が起こりうることが警告頭痛かどうかのヒントになります。 いつもと違う頭痛であったり、頭痛に加えてこれらの症状が出てきたりした場合はすぐに医療機関を受診しましょう。くも膜下出血発症前の脳動脈瘤を確認するには頭部MRIや造影CT撮影が必要です。