声優・松野太紀さん56歳で逝去 死因の「脳出血」の初期症状・予防法を医師が解説
脳出血の前兆となる症状を予防する方法
脳出血の主な原因は高血圧です。そのため、まずは血圧を適切な値にする生活習慣が大切です。 ・塩分を摂りすぎない 塩分を取りすぎると、体内のナトリウム濃度が上がることで高血圧になるリスクが高まります。厚生労働省からは、成人の場合、男性では1日7.5g未満、女性では1日6.5g未満の摂取量が推奨されています。 ・禁煙・節酒 タバコのリスクとしては、脳卒中以外にも、がんや心臓病、慢性閉塞性肺疾患などがあります。そして、大量の飲酒も脳卒中のリスクを高めることがわかっています。1日1合程度、週に2日程度は休肝日を設けるようにしましょう。 ・運動を継続して行う ウォーキングなど、軽い有酸素運動で体の血流をよくすることも脳出血の予防には効果的です。継続して行うことで効果が出るので習慣づけるように心がけましょう。
「脳出血の前兆」についてよくある質問
ここまで脳出血の前兆となる症状・予防法などを紹介しました。ここでは「脳出血の前兆」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。 編集部: 脳出血を発症しやすい年齢層はありますか? 村上先生: 脳出血は高血圧などの生活習慣病がある人に起こりやすいので、60~70代の中高年に多くみられます。ただし、頻度は低いのですが、若い世代でも起こる可能性はあるので、注意は必要です。 編集部: 脳出血の前兆となる症状に体のしびれやめまいはありますか? 村上先生: 脳出血の前兆で体のしびれやめまいが出現することはほとんどないと思います。 脳出血の場合は脳卒中の症状が起きたら、その時点ですでに血管が破れて脳に出血しているため、それは前兆ではなく脳出血を発症している状態です。 なお、脳出血ではなくて脳梗塞の場合であれば、一過性脳虚血発作(TIA)という脳梗塞の前兆といえる病気があります。これは、脳血管が詰まりかけたけども再度開通して脳梗塞に至らなかった状態を指します。体のしびれなどの症状が一時的に現れますが元通りになります。 編集部: 肩こりは脳出血の前兆となる症状に含まれますか? 村上先生: 脳の中の重要な血管であり首のあたりを走っている椎骨動脈の一部が裂けてしまう、椎骨動脈解離という病気があります。この病気では、首の後ろのつっぱり感や、肩こりのような症状が現れることがあります。脳出血となることは珍しいのですが、裂けた部分の動脈が破裂した場合にはくも膜下出血となり、解離した血管が閉塞した場合には脳梗塞となります。肩こりが治りづらい場合には、一度MRI検査を受けることも考慮すると良いでしょう。