なぜ阪神は逆転サヨナラ負けで27年ぶりの開幕4連敗を喫したのか…2試合救援失敗のケラーと湯浅の緊急配置転換は正解か
押せ押せの広島は、代打・長野が、またファウルで粘りながらタイミングを図り、カーブをバットに当てた。打球はワンバウンドでケラーを襲う。併殺打のタイミングだったが、打球はケラーが差し出したグラブを弾き、ショートの前に転がり、内野安打となった。 ケラーがグラブを出さずスルーしていれば併殺でゲームセットだったかもしれなかったが、一転、一死満塁の絶対絶命のピンチである。 ストレートは最速150キロをマークするなど開幕戦に比べスピードは出ていたが、空振りは取れずカーブも対応できる落差でしか曲がらない。関西のスポーツ各紙の報道によると、矢野監督は「空振りを取れるボールがないし、一人に対する球数が増えてしまっているので状態的にまだしんどい」との判断で、ケラーに代え、4年目の湯浅をマウンドに送った。 中継ぎ陣が崩壊する中、開幕第2戦のヤクルト戦で4番手として1イニングを投げ、山田、村上、サンタナのクリーンナップを3者凡退に抑え、好調のサンタナを伸びのあるストレートで空振りの三振に打ち取るなど現状のブルペンでは最も信頼のおける投手だった。 だが、佐々岡監督が「一番頼りになるバッターに回ってきた」と、信頼を寄せるトップバッターの西川が立ち塞がった。横浜DeNAとの開幕第3戦でも守護神の山崎から走者一掃の逆転タイムリーを放っている。湯浅は警戒してボールになるフォークから入ったが、2球目の144キロのストレートが真ん中へ。西川はジャストミート。強烈なライナーはサヨナラの走者を食い止めようと前進守備を敷いていたライト佐藤の頭上を越えていった。開幕戦に続き勝利方程式の崩壊で勝ちゲームを落とした。 関西のスポーツ各紙の報道によると、試合後、矢野監督は、「ケラーの後ろは外す」と、わずか2試合にして、ケラーにクローザー失格の烙印を押して配置転換を決断。代わるクローザーには、8回を3人で抑えた岩崎ではなく、打たれた湯浅を指名した。 9回の継投策は間違っていなかったのか、そして、この緊急配置転換は正しいのか。阪神OBで、ダイエー(現ソフトバンク)時代にクローザーの経験がある評論家の池田親興氏は、こんな見解を持つ。