キャシー中島「2度の皮膚がんを乗り越え、キルトを生きがいに。右目の下の赤いできものに、怖くて病院に行けなかった私の背中を押した息子の言葉は」
勝野は九州男児で体も丈夫で、お酒も強い。でも彼も70代、もう若くないですから、飲みすぎると体調が心配。それでお願いしたの。「お酒をたくさん飲んだ翌日のあなたは素敵じゃなくなる! 私の好きなあなたでいてほしいから適量にしてね」と。以来、1日2合までしか飲みません。 彼も「今朝、ダルそうだったけれど、体調は大丈夫?」と聞いてくれたりしますが、私は「大丈夫!」が口ぐせ(笑)。でも、娘に言われました。「ママが早口で『大丈夫!』って返事をするときは、大丈夫じゃないときね」と。鋭いなぁと感心しました。 この間も、「ママ、最近楽しそうじゃないわね」と言うから、「そう? 自分では気がつかなかったわ」と返したのですが、「いつもと表情が違う。悩んでいるならよくないわ。気をつけて」と。 たしかに、そのとき仕事のことで悩みを抱えていて、普通にしているつもりでも見抜かれていたのですね。娘は厳しいけれど、私のことをちゃんと見ていてくれて、ありがたい存在だなと思います。 今年もキルト教室や展示イベントなどで全国を飛び回ります。この2月には、東京の三軒茶屋に「キャシーマムカフェ」をオープンしました。店内にキルト作品を飾り、手作りクッキーやケーキが自慢の小さなカフェです。 70代はまだまだ体が動くし、やりたいことがたくさんあって。自分の体の声に耳を傾けつつ、無理せず、楽しんで実現していきたいと思っています。 (構成=村瀬素子、撮影=宮崎貢司)
キャシー中島