キャシー中島「2度の皮膚がんを乗り越え、キルトを生きがいに。右目の下の赤いできものに、怖くて病院に行けなかった私の背中を押した息子の言葉は」
◆心を癒やしてくれるキルトと睡眠 指と顔に思いがけない病気を患ったことで、健康管理の意識は高まりました。年に1回の人間ドックに加えて、3ヵ月ごとに大学病院で皮膚、目、腰を診てもらっています。目はまだ問題がないうちに、白内障のチェックをはじめて。 腰は一昨年、仕事中に腰痛で動けなくなり、検査したら、腰椎の間が少し狭いということでした。腰痛改善には「筋肉をつけることが一番」と医師に言われたので、朝起きると腰痛体操をして、一曲踊るのが日課(笑)。膝を高く上げて腰を動かしながらダンスをして筋肉を鍛えています。 日常生活で気をつけているのは紫外線。若いころは日差しなんて気にしませんでしたが、紫外線が白内障の原因にもなるそうなので、運転するときやウォーキングするときも帽子とサングラスは必需品です。 それと、万病のもとであるストレスをためないことも大事ですね。私の座右の銘は「まっ、いいか」。 悩んでも解決しないときは、気持ちを切り替えて「次に進もう」と前を向く。心身が疲れていたら、とにかく寝る(笑)。「寝れば復活する。明日は違う朝が来る」と自分に暗示をかけて床につきます。 幸いなことに、昔からキルトを縫うときは指が痛くならないのです。針を持って布に刺して抜く作業には何の支障もありません。ただ、いまも右手の親指が腫れていて、大量の生地をハサミでカットしていると痛くなる。 そういうときは、洋輔に手伝ってもらいます。そうそう、痛いときは我慢せず、周りに助けを求めることも大事ですね。
◆体調の変化を見逃さないように 病院で検査を受けたあと、結果が出るまでは不安ですよ。そういうときでも、無心にひと針ひと針縫っていると心が落ち着くんです。私のキルト教室に通う生徒さんはみなさん、創作が好きな方ばかり。そんな仲間と針を運びながら、みんなで世間話から病気の話まで何気ないおしゃべりをすることも心にいい作用をもたらす気がします。 私が明るく生きられるのは、キルトのおかげね。キルトは、生きがいであり、最高の癒やしでもあるのです。 うちは、次女の家族と三世代同居です。家族それぞれがお互いの様子を見ていて、気遣うようになった気がしますね。いつも傍にいるから、ちょっとした変化もわかる。 たとえば、夫(俳優の勝野洋さん)が椅子から立ち上がるとき、いつものような勢いがないなとか、寝ているときに咳をしていたな、とか。お互いに「大丈夫? 苦しくない? 先生に診てもらう?」と促します。まるで家族がお互いのナースみたいな存在ですね。