岸田氏、総裁選出馬を表明 「私の全てをかけて臨む」
自民党の岸田文雄政調会長は1日、記者会見し、安倍晋三首相の後継を決める同党の総裁選挙に出馬することを表明した。会見で、岸田氏は「大変厳しい道のりを感じているが、国民のため国家のため、私の全てをかけてこの戦いに臨んでいきたいと思います。一人でも多くの国民のみなさんに共感してもらい、力を与えていただき戦いを進めていきたいと思う」と述べた。 【動画】自民・岸田文雄氏が会見 総裁選への出馬表明「私の全てをかけて臨む」
岸田氏は冒頭で「いままでも『立候補に向けては準備をしている』、『立候補する』と申し上げてきた」と説明。そして「おそらく明日には総裁選の具体的な日程等が確定するものだと思っている。きょう、立候補の表明をさせていただいたこの瞬間から、この戦いに向けて、勝利に向けて、多くの同志のみなさんとともに努力を始めたい」と述べた。 記者から目指すリーダー像を問われた岸田氏は「いまの時代、さまざまな課題に立ち向かうためにも国民の協力がなくてはならない。新型コロナウイルス対策一つ取ってみても、国民の強力なくしてさまざまな政策を実現することができない。こうした認識に基づいて、国民の協力を引き出せるリーダーを目指していきたい」と訴えた。
安倍政権の評価と自身の政策
安倍政権については「経済においても外交においても大きな成果が上がった7年8か月であったと思っている」と評価。一方「どんな政策も10年20年同じ政策を続けていて通用する甘いものではない」としたうえで「中間層や中小企業、地方にも成長の果実が届くんだと言われ続けていたが、なかなか実感できない、こういう指摘があった。さらには、格差についても『子どもの貧困』、『子ども食堂』などが話題になる時代を考えると、しっかり立ち向かっていかなければならない。(格差問題を)『分断から協調へ』という言葉で表し、努力したい」と語った。 自身も外相として携わった外交については、長期政権となったことで「日本の国際的な存在感、発言力が格段高まった」と成果を強調。ただ、「米中の対立がより深刻化してきた。国際社会でも保護主義、自国第一主義、ブロック経済、こうしたことが言われている、日本のような島国で資源がなく、そして人口が減少していく。こういった国がいかに存在感を示していくのか、いま真剣に考えていかなければならない。ソフトパワー外交をしっかり進めていきたい」と述べた。 新型コロナウイルスへの対応については「長期戦の様相を呈している。感染症対策と経済対策はともに人の命に係わる課題だ」と語り、「ここ数年間は(他の国々に)遅れることなく、思い切った財政出動を続けていかなければならない」と主張した。
岸田氏の略歴
岸田氏の公式サイトによると、同氏は1957年生まれの63歳。早稲田大学を卒業後、日本長期信用銀行に入社。衆議院議員秘書を経て1993年に衆院に初当選し、連続で計9回当選している。2007年、第一次安倍政権で内閣府特命担当相(沖縄・北方などの担当)、12年第二次安倍政権で外務相などを歴任。17年から党の政調会長。自民党内の派閥「宏池会」の会長も務めている。