新設ラッシュの「データサイエンス学部」を選ぶ上での4つの注意点とは?
データサイエンス学部の入学試験科目や配点はさまざま
力を入れて学ぶ内容が、大学によって異なると説明しましたが、それは入学試験で課される科目や配点にも表れています。入学試験は「この教科・科目をしっかり勉強してきてほしい」という、大学から受験生へのメッセージなのです。入学試験科目は、(1)文系・理系のどちらからでも受験できる、(2)理系型入試のみ、(3)文系型入試のみと、大学によってさまざまです。 一橋大学は2023年にソーシャル・データサイエンス学部を開設しました。商学部、法学部、社会学部、経済学部といった文系学部で構成されている一橋大学ですが、新設のソーシャル・データサイエンス学部は理系受験生も想定した入試科目・配点となっていました。 前期個別試験の数学の問題は、数学3を含まない、いわゆる文系数学の範囲でした。一方、後期個別試験では数学3まで出題されましたが、数学3を学習していない文系受験者が不利にならないように、選択問題形式を採っていました。前後期とも数学の配点が大きいことが特徴で、実際、初のソーシャル・データサイエンス学部の入学者は、大学受験で理系だった人のほうが多かったようです。 2025年度の入試でも同様に、理系受験生も想定した入試科目・配点になっています。個別試験の数学は前期が文系数学、後期は数学3までの出題ですが、文系受験者が不利にならないように、選択問題形式を採るようです。 これに対して、千葉大学情報・データサイエンス学部の2025年度の出題科目・配点は下記のようになっており、英語、理科(個別試験は物理200点+化学100点)、数学(個別試験は数学3を含む、いわゆる理系数学)の配点です。 では、私立大学はどうでしょうか。関西大学が2025年4月に開設予定のビジネスデータサイエンス学部は、全学日程3科目型では英語200点、国語150点、選択科目(地歴公民・数学から1科)100点、全学日程2科目型では英語・数学とも各200点(数学はいずれも数学3を含まない、いわゆる文系数学)で受験できます。 一方、中央大学理工学部ビジネスデータサイエンス学科の一般入試は、英語100点、理科1科目100点、数学(数学3を含む、いわゆる理系数学)100点となっています。関西大学と同じ「ビジネスデータサイエンス」という名称ですが、試験科目がまったく異なるのです。受験生・保護者はどの大学がどのような入学試験を課しているのか、配点ウエイトはどのようになっているのか、各大学の入試要項や入試ガイドをチェックしておきましょう。