高血圧は「2タイプ」に分類できる?薬剤師「実は患者の何割かは<病院で測るときだけ>跳ね上がる高血圧で…」
厚生労働省が2017年に実施した「患者調査」によると、高血圧症で継続的に治療を受けていると推測される患者数は約993万人だったそう。癌や糖尿病と並ぶ“国民病”のひとつといえる高血圧ですが、薬剤師の加藤雅俊さんいわく「この60年ほどの間に高血圧の基準数値が何度か見直され、その度に患者数が増えてきた」とのこと。そこで今回は、加藤さんの著書『1週間で勝手に血圧が下がっていく体になるすごい方法: 薬に頼らず劇的改善!世界一ラクな降圧法』より一部引用、再編集してお届けします。 【図】精神的な負荷によってメンタル高血圧が引き起こされる流れ * * * * * * * ◆血圧が上がる原因には2つのタイプがある 血圧を上げる原因は精神的なもの(メンタル高血圧)と、体に起因するもの(フィジカル高血圧)の2つに分けることができます。まずは、メンタルが引き起こす高血圧について説明したいと思います。 精神的な要因で血圧が上がる典型例は「白衣高血圧」でしょう。 このユニークな病名を耳にされたことがあるかもしれませんが、自宅などでは正常な血圧値が、医療機関で測定すると大きく跳ね上がってしまう現象のこと。 過度な緊張から交感神経が優位になることで、突発的に血圧が上がるのです。高血圧患者の15~30%が該当するといわれています。
◆精神的なストレスも高血圧の要因に さらに、精神的なストレスも血圧を上げる要因になります。 仕事や人間関係などでストレスを感じると、自律神経を介してストレスに対抗できるように、血圧を上昇させるホルモンを分泌させて体を戦闘モードに切り替えます。 放出されるアドレナリンは心拍数を上げ、ノルアドレナリンには血管を収縮させる作用があるため、ストレスが血圧の上昇につながるわけです。 こうしたメンタルに起因する高血圧は一時的なもので、ストレスがなくなると正常値に戻ります。ただし、職場のように繰り返し長期間ストレスにさらされるような環境では、血圧の高い状態が持続されるため、高血圧が慢性化するケースもあります。
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