岸田首相が会見 ロシアに追加制裁(全文1)エネルギー分野での依存度を低減
岸田文雄首相は8日、官邸で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「岸田首相が会見 ロシアへの追加制裁を表明へ(2022年4月8日)」に対応しております。 【動画】岸田首相が会見 ロシアへの追加制裁を表明へ(2022年4月8日) ◇ ◇
ICCによる捜査や国連による独立した調査を支持
司会:ただ今より、岸田内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに岸田総理から発言がございます。それでは総理、よろしくお願いいたします。 岸田:本日はロシアによるウクライナ侵略に対する、わが国のさらなる制裁を中心にお話をさせていただきます。ロシアによる残虐で非人道的な行為がキーウ近郊のブチャのみならず、ウクライナ各地で次々と明らかになっています。ロシアはこれまでも民間人の殺害や原子力発電所に対する攻撃など、重大な国際人道法違反を繰り返してきました。断じて許されない戦争犯罪です。こうしたロシアによる非道な行為の責任を厳しく問うていかなければなりません。 こうした観点から、わが国として国際刑事裁判所、ICCによる捜査や国連による独立した調査を支持いたします。わが国のICCへの分担金の支払いを前倒しして行うなど、ICC検察官による戦争犯罪の捜査を後押ししてまいります。昨晩、ロシア軍による残虐行為を最も強い言葉で非難し、ウクライナへの連帯を示すとともに、G7としての追加的な対ロ制裁措置を取ることを表明するG7首脳声明が発表されました。このG7首脳声明を踏まえ、わが国はロシアに対し、次の5つの柱からなる追加制裁を科し、ロシアに対する外交的・経済的圧力を強化いたします。これ以上のエスカレーションを止め、一刻も早い停戦を実現し、侵略をやめさせるため、国際社会と結束して強固な制裁を講じてまいります。
5つの柱からなる追加制裁
第1にロシアからの石炭の輸入を禁止いたします。早急に代替策を確保し、段階的に輸入を削減することで、エネルギー分野でのロシアへの依存を低減させます。夏や冬の電力需給逼迫を回避するため、再エネ、原子力などエネルギー安保、および脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図ってまいります。 第2にロシアからの輸入禁止措置の導入です。機械類、一部木材、ウオッカなどのロシアからの輸入について、来週、これを禁止する措置を導入いたします。 第3にロシアへの新規投資を禁止する措置を導入いたします。G7とも連携し、速やかに措置を導入いたします。 第4に金融制裁のさらなる強化です。ロシアの最大手銀行のスベルバンク、およびアルファバンクへの資産凍結を行います。 第5に資産凍結の対象のさらなる拡大です。400名近くのロシア軍関係者や議員、さらには国有企業を含む約20の軍事関連団体を新たに制裁対象に加えます。これにより資産凍結の制裁の対象となる個人は合計約550名。団体は合計約40団体へと広がります。 次にウクライナの方々に寄り添った支援、および在留法人支援について2点申し上げます。第1にウクライナ周辺国への人的貢献です。すでにモルドバにJICAのニーズ調査団を派遣し、保健医療分野のニーズ調査に加え、WHOと連携した形で、現地の医療データ管理等に貢献をしています。また、今週からはPKOの政府調査団も派遣いたしました。現地のニーズも踏まえ、さらなる人的貢献を速やかに具体化してまいります。 第2にウクライナ避難民受け入れ、および在留法人支援についてです。昨日も申し上げましたが、ウクライナ避難民の方々が今後とも円滑にわが国に渡航できるようにするため、当面、毎週、政府がポーランドとの直行便の座席を借り上げ、わが国への渡航を支援いたします。その第1便は早速、本日、日本に向けて出発をいたします。ウクライナ在留法人についても、自力で渡航手段を確保することが困難な方については、この便を利用できるようにいたします。 ロシアのウクライナ侵略によって、エネルギーや食料の価格が高騰しています。わが国のみならず、世界各国の人々がガソリン価格、電気代、食材価格などの高騰に苦しんでいます。エネルギー市場を安定化させるため、昨日、発表しましたが、IEA加盟各国とも協調し、日本としてIEAの割当量の1.5倍の1500万バレルの備蓄を放出することといたしました。日本として初めての国家備蓄の放出です。引き続き、日本としてできることにしっかりと取り組んでまいります。