健康維持には《筋肉・骨・ホルモン・血管・神経》5つの機能年齢バランスが重要。専門医が教える各機能の老化改善アドバイス
◆《ホルモン》睡眠の質の向上と運動の継続がカギ ホルモンの分泌が減る要因は、運動不足、睡眠不足、食習慣、ストレス。なかでも代謝を調節する成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、量・質ともに十分な睡眠が欠かせません。 18時以降はカフェインを摂取しない、部屋を暗くして寝る、朝起きたら日光を浴びる、といった習慣で、睡眠の質を高めるメラトニンの分泌を促しましょう。 成長ホルモンは、有酸素運動やタンパク質の摂取でも増やすことができます。 そして、健康な体の維持に欠かせないのが「抗老化ホルモン」と呼ばれるDHEA。運動量や筋肉量が多い人ほど分泌されるため、最低でも週に2回は運動するようにしてください。種類は関係なく、継続することが重要です
◆《血管》食材の種類を増やし血糖値上昇を防ぐ 血管の酸化が進むと引き起こされるのが動脈硬化。血管壁が厚く硬くなり血流が低下することで、肌や髪の乾燥、肩こり、手足の冷えなど末梢部にも不調が生じます。 高血圧、脂質異常症、糖尿病と病院で診断された人は、専門医の治療を受けるようにしましょう。 日常生活では、食生活の見直しを。塩分、糖質、脂質の摂りすぎに気をつけ、血管のもととなるタンパク質や、抗酸化作用のある緑黄色野菜を積極的に取り入れると〇。 「ご飯だけ」「かけそばだけ」といった偏った食事は血糖値の上昇を招くため、タンパク質を含む食材やおかずの種類を増やしましょう。また、心身にストレスがかかる生活を避け、軽い運動やヨガなどでリラックスする時間を大切に
◆《神経(脳)》脳に刺激を与える全身運動+手作業 脳の神経細胞が破壊されると、記憶力の低下が進みます。神経機能を健康に保つには、十分な睡眠時間を確保し、脳内にメラトニンの分泌を増やすことが大切。 メラトニンは、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβの排出を助けてくれます。 神経細胞は使わないとなまるので、安静は禁物。ウォーキングや水泳などの全身運動と、文字を書く、編み物、楽器演奏、麻雀をするなど手作業の両方をバランスよく行い、細胞をしっかり働かせてください。 また、「週2回の運動を2ヵ月間続けられたら、温泉に行く」など、自分の努力を認めてご褒美を設定することは、脳内報酬系というシステムを刺激し、やる気を引き出します (構成=山田真理)
米井嘉一
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