7年ぶり1部の近大ボクシング部 廃部時に学生だった監督の思い
試合の恐怖に打ち勝つ精神力を鍛えていこう
赤井総監督の下で頑張ることになったが、総監督についてはこう話す。「赤井総監督はボクシング部にとっては頼もしい存在です。たまに来て下さるし、その時はすごくうれしい。総監督が常々言っているのは、『精神面を鍛えること。試合の恐怖に打ち勝つ精神力を鍛えていこう、そのための練習や』ということです」 精神面を鍛えれば、強盗傷害事件など起こりえなかった。そんな悔しさもあるに違いない。トレーニングは、OBの元WBA世界スーパーフライ級王者・名城信男ヘッドコーチらが指導に当たっている。 「練習メニューを考えてしっかりやっている。怪我を少なくすること、身体をつくること、フィジカルトレーニングです。1時間の走り込みのあと、3時間ジムで練習してます。下半身をつくって、ボクシングに生かす筋トレをやってます」(名城ヘッドコーチ) 今後は1部優勝を目指し、大学日本一の王座の奪還、また来年のリオデジャネイロ(オリンピック)に向けての練習にも打ち込んでいるという。 浅井監督は「ボクシングは自分からやりたいと思った。負けても無駄にならないし、頑張ることの大切さを学べる。自分に打ち勝つことができる。ボクシングはどつき合っても『ありがとう』と言えるスポーツですから。最大の魅力は、勝った瞬間の喜び、それですべてが報われること。大学のボクシング部は関東も含めてどこも強豪で、すべてがライバル。監督として部員に伝えているのは『たくさんの支えがあって今がある、人を裏切らないこと』です」と話し「技術はもちろん『精神面の充実をはかる』ことを教えている」と続けた。 1部に昇格した名門ボクシング部だが、来季こそが正念場とも言えるだろう。 (文責/フリーライター・北代靖典)