情報錯綜?!ワリエワのドーピング疑惑をロシアは完全否定もIOC沈黙で広がる波紋…「五輪の信頼性が揺らぐ」の意見や「ワリエワは女子シングルに出場する」の憶測も
北京冬季五輪でフィギュアの女子シングルの金メダル候補、カミラ・ワリエワ(15)に持ち上がったドーピング疑惑の波紋が止まらない。国際オリンピック委員会(IOC)が法的問題を理由に公式見解を示さない中で情報が錯綜している。 米CNN電子版は、10日付の記事で「クレムリンは薬物検査による陽性反応の報道を正しいものとは認めておらず、ワリエワをはじめとするロシアのフィギュアスケーターを支持している」という見出しでロシア側の反発を伝え ,「ドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアのフィギュアスケートチームの中に陽性反応があったという報道を正しいとは認めていない」と報じた。 同記事によると、ロシアのペスコフ報道官は「確実な情報を持っていない人たちによって炎上している。みんなが遠くに向かってわめきはじめているが、我々はこのわめき声の列に加わることはない」と一部メディアでワリエワのドーピング違反が断定的に報じられ、SNS上で炎上騒ぎとなっている状況を批判。さらにペスコフ報道官は「唯一の主要な情報源はIOCであるべきだ」と付け加え、「あなた方は、IOCの声明を聞いたはずだ。我々がここで何かを付け加えることに意味はない。我々はIOCに導かれており、ワリエワを含む選手たちの金メダルだけを願っている」と発言した。 現在、IOCは、法的な問題を理由に公式見解を示していない。 一方でワシントンポスト紙電子版はドーピング違反疑惑に対する、そのIOCの対応の遅さなどを批判した。男子フィギュアスケートのシングルFSの試合後会見でも、ドーピング問題が話題となり、ネイサン・チェン、鍵山優真、宇野昌磨のメダリストが、この状況についての質問を受けたことを伝えた。 「木曜日の朝、キャピタル・インドア・スタジアムでは、米国のスター選手であるネイサン・チェンが男子シングルで金メダルを獲得したが、もし(ドーピング問題が)存在していたら、どのような結果になるのかという憶測が試合後の会見で話題になっていた。月曜日に行われたフィギュアスケートの団体戦で金メダルを獲得したにもかかわらず、ロシアのスケーターたちはまだメダルを受け取っていない。IOCは、この遅れは法的問題が未解決であるためとしている」 さらに「この日、ロシア・オリンピック委員会のフィギュアスケート担当者は、IOCのプレスリリースを待っているので、ワリエワについてはコメントできないと述べた。この発言の約1時間後にIOCの定例のブリーフィングがあり、マーク・アダムス広報責任者は、この状況について何度も質問されたが、問題の性質を示すことになるため、どの運営組織がこの問題を検討しているかという質問についても言及を拒否した」と伝え、関係者が一様に口を閉ざす異様な状況を説明した。