ストレッチが必要なのはこんな人! 願望を叶えるストレッチの効果(専門家が監修)
自律神経を整えてリラックスしたい
ストレッチすると、筋肉や関節だけではなく、心まで柔らかくほぐれるような気がする。その理由の一つは、自律神経のバランスが整うから。 自律神経には、心身を活動的に整える交感神経と、休息モードへ誘う副交感神経がある。緊張やストレスがあると交感神経が高ぶり、加齢とともに副交感神経のパワーは落ちることが知られている。 「ストレッチが交感神経の興奮を抑えるのか、それとも副交感神経のパワーを上げるのかはよくわかっていません。ですが、事実としてストレッチ後しばらくは副交感神経が優位となってリラックス効果をもたらし、疲労感を軽減してくれるのです」 プレゼン前のように緊張で交感神経の高ぶりが抑えられないのが心配なら、事前のストレッチで副交感神経を高めると平常心で臨める。 ストレッチの自律神経への作用を踏まえると、夕方以降に激しい運動をした際は、トレーニング後にストレッチした方が良さそう。 ハードな運動後は心身が興奮し、一時的に交感神経が優勢となる。質の高い眠りへ導くには、交感神経を抑えて副交感神経を優位にすべき。ストレッチをすると交感神経の高ぶりが鎮まり、副交感神経がオンになって入眠しやすい体内環境が整う。
スポーツパフォーマンスを上げたい
ストレッチで関節の可動域を広げておくことは、スポーツを楽しむ人にとってメリットが大きい。 マラソンランナーの股関節が動きやすくなれば、1歩ごとの歩幅が広がりペースアップに直結する。野球のピッチャーやゴルファーだって肩関節が動きやすくなり、テイクバックが大きく取れるようになると、より爆発的なパワーが出力できる。可動域を広げるストレッチは、パフォーマンスアップにつながるのだ。 本気でパフォーマンスを上げたいなら、ストレッチで関節可動域を広げてから、もうひと頑張り。 「ストレッチでは、自体重や他の筋肉といった“他力”を利用して可動域を広げています。パフォーマンスを高めるには、他力に頼らず、“自力”で動きを巧みにコントロールすることが求められる。ストレッチに加え、広げた可動域を自分で使えるような反復練習も必要です」 反動を使わず筋肉を静かに伸ばす静的ストレッチだけでなく、よりダイナミックにカラダを動かす動的ストレッチをスポーツ前に行うことも大事。 「動的ストレッチは、実際のスポーツの動きに近い動作をなぞれるので、一種のリハーサルになる。加えて筋肉を温めてウォーミングアップし、筋肉を動かしやすいようにセットアップしてくれます」