たとえば映画をお手本に。
毛質や顔の形に合わせて、自分に似合うヘアスタイルを探す? それは、いたって正攻法かもしれない。だが、面白くはない。映画でも観て、ルッキングッドなお手本を見つけようじゃないか。 映画の中のルッキングッドな髪型、14選。
教えてくれた人 『バーバーボーイズ』島田裕生さん
誰にだって一度はあるんじゃないか。映画を観ながら、「この主人公の髪型みたいにしたいなぁ」と妄想した経験が。だけど、「顔が違いすぎるから、自分はヘアカタログの中の、顔の形や髪質に合うとされるものにしておくか」と諦めている人も少なくないだろう。「そう、そこで諦めてほしくないんです」と語るのは、映画を愛し、お客さんに映画の中の髪型を提案することもよくあるという『バーバーボーイズ』の島田裕生さんだ。「映画の登場人物は、キャラクターがしっかり描かれていて、当然、髪型もキャラクターを反映しているものです。だから、毛質や顔の形だけでは捉えきれない、自分のファッションや世界観も含めたお手本探しをするなら、映画はかなり参考になるはず。確かに向き不向きは人それぞれですが、『こんな髪型にしたい!』と思えるものを見つけるほうが大事。それをできるだけ叶えるのが僕たちの仕事ですから」
今回、挙げてくれたのは、島田さんが考える映画の中のルッキングッドな髪型、14種。「50年たったときに『あのときの髪型はダサかったな』と後悔することがなく、東京にいてもニューヨークにいても違和感がない、普遍的でインターナショナルな髪型」が条件だ。この中からお手本が見つかったらこの上なし。でも別にマンガや写真集でお手本を探してもいいと思う!
1960年代の上品なクルーカット。
クルーカットというと、横をガッツリ刈り上げるイメージがある。しかし、’60年代は、本作で“アポロ11の乗組員として史上初めて月面を歩いた男”ことニール・アームストロングのように、あまり刈り上げず、トップをさらっと横に流す上品で知的な印象の髪型だった。「他の乗組員がみんな軍人出身でそれっぽい髪型なのに対し、アームストロングだけクルーカットなのは、民間出身の優秀なパイロットであるという彼の出自を髪型でも表現しているんだと思います」