あわや盗難 愛車に仕掛けられた悪質な細工 「怖すぎる」「気付いたのすごい」と驚きの声
「スイングアームの裏なんてよく気づけましたね」
大切な自動車やバイクが盗難される事例が一向に減らない。窃盗犯が狙うのは、いずれも“闇市場”で人気が高い高額なモデルばかりだ。あの手この手で持ち主の隙に付け込み、黒い触手を伸ばしている。今年1月、競馬場に愛車を停車していたところ、あわや盗難未遂に遭ったというポメ@Mirai_horseCC(@SilenceSuzuka_4)さんに詳しい話を聞いた。 【写真】「怖すぎる」「よく気づけましたね」窃盗犯が仕掛けた小さすぎるGPS、実際の写真 ポメさんが投稿したのは1枚の画像だった。 「競馬場かメシってる間にGPS仕掛けられたっぽいです。バイクのスイングアーム裏に貼られてました。こういう盗難の手口があります。ご参考までに」 注意喚起の投稿には、4.6万件の“いいね!”が殺到。「怖すぎる」「スイングアームの裏なんてよく気づけましたね」「これは気付いたのすごいです」「集まる場所で複数のバイク車にGPSを貼り付け追跡し夜一気に窃盗していくんでしょうね」「手口が悪質」「こんなことあるんや」など多くの声が寄せられた。 スイングアームとはリヤタイヤとフレームをつなぐ金属製のパーツのこと。その裏に、画像のGPSが隠されていたという状況だった。 愛車はヤマハのTZR250RS(原動機型式3XV8)。スマートフォン向けゲーム「ウマ娘プリティーダービー」のキャラクターをデザインした「痛車」になっており、当日は千葉の船橋競馬場で行われたウマ娘のイベントに参加。バイクを敷地内の駐輪場に停め、イベントを楽しんだ後、食事を取るため移動し、すし店の駐輪場に停めた。 犯人はこの隙に、GPSを取り付けていた。 「解散後、帰宅の途中、いつも通り少し離れたコンビニにて車体の確認を行っていたところ、リアスイングアーム裏にポストした内容の携帯回線利用型の位置検出装置を発見しました。残念ながら誰が付けたのか? 誰の登録された持ち物なのか? などが分からないのが犯人側からしたらこのタイプのメリットでもあり、たどることは困難なのを以前、エアタグを貼られたときに知っていました」 巧妙な仕掛けを見破ることできたのは、この過去の経験があったからだ。 「車両価値が上昇していたときに、宮ヶ瀬ダムの近くにバイクが集まる駐輪場があり、そこに出かけた際に同様にコンビニで確認していたときにエアタグを発見しました。このときは初めてで警察に相談しました」。GPSかエアタグかの違いはあるものの、手口は酷似していた。ポメさんはことあるごとに愛車の状態を確認するなど、日ごろから警戒を怠らなかった。 実はバイクの盗難は、コロナ禍を挟んで大きく変化したという。 ポメさんのバイクは価格が高騰していた。 「昨今、高級車などを携帯回線利用型の位置検出システム(エアタグなど)や独立回線型GPS装置(GPS、GPSロガーなど)を用いて追跡、特定し盗難するという手口があります。ネットでそれを知り、コロナ禍以前はそんなこともあるのか程度に認識しておりました。状況が変わったのはコロナ禍のときです。全般的に中古バイクや中古車の価格が上昇しました。その中でも80~90年代に生産された2ストロークエンジンを搭載したバイクの値上がりは著しく、その中でもさらにレーサーレプリカと言われるジャンルのバイクの価格はものすごい勢いで上昇しました。ホンダのNSR250シリーズやスズキのRGV-γシリーズ、ヤマハのTZR、RZシリーズなどです。 NSRやRZなどの盗難が群発するようになり、Xなどでも盗難報告が上がるようになってきました。これを受け、私も上記の手口を思い出し、乗車後は必ずそれら装置が外部から付けられていないか? と毎回自宅の遠くのコンビニなどで確認するようにしておりました」 GPSでもエアタグでも共通するのは、受信者を探すことが困難なことだ。 「エアタグを付けられたとき、警察に相談しましたが、被害届は出せず、あくまでも相談程度の扱いで記録を取られました。よって、その場でタグを破壊し、コンビニの不燃物ゴミに捨てました」と振り返っている。