たとえば映画をお手本に。
英国的で自然なマッシュルームヘア。
英国陸軍の二等兵、トミー。目にちょうどかかるくらいの長さの前髪を、ラフにかきあげているのが彼の髪型の完成形だ。しかし、「戦火を駆け抜ける中でそれが崩れ、水に濡れた前髪が落ち、ツヤと動きのあるカーリーなマッシュルームスタイルになるんです。このカールしている状態が特にルッキングッド。第2次世界大戦を描いた映画なので、時代設定はビートルズやモッズより前ですが、それらに通じる英国らしさをこのマッシュにも感じます」
フォーマルにも整髪できるカーリーショート。
舞台は’30年代。ハリウッドの社交界で成り上がろうとする青年ボビーは、駆け出し時代こそいかにも白人的な天然カーリーヘア。しかし、キャリアアップしていくに従い、TPOに合わせてフォーマルにスタイリングするようになる。「’50年代以前、“よそいき”のときにはグリースアップするのが白人男性の基本だったんです。それを忠実に守っているあたり、さすがウディ・アレン監督。カーリーヘアをなでつけるというのも、新鮮でかわいいですよね」
ボサボサに伸びたスポーツ刈り。
「映画の中のカッコいい髪型と言われて、最初に思い浮かびました」と島田さんが語る『セブン』のデヴィッド。「伸びたスポーツ刈りを、マットな整髪料でラフにセットした感じです。トップは3㎝程度でフラットに切り揃え、横と後ろは1㎝くらい。あと、もみあげとひげが、きちっと整えられています。だから、仕事が立て込んで無精ひげになってもルッキングッド。ちなみに、ツヤの出る整髪料で髪を立てると同じブラピでも『ファイト・クラブ』のタイラーになります」
前髪をかきあげるミディアムレイヤー。
トロイの髪型は、彼の適当な性格を体現するかのごとく、ラフな印象のミディアムヘア。しかし、ただ伸ばしているだけではない。トップを長めに残したレイヤースタイルというもので、襟足は短くなりすぎないようにあくまでナチュラルに整えられている。「日本人は前髪をおろしがちですけど、人によっては野暮ったく見えてしまいます。彼のようにヘアオイルなどのホールド力の弱い整髪料を使って前髪を常にかきあげてるくらいが、印象も柔らかくていいと思います」