「無意味に子どものプライベートゾーンを触らない」保育士・てぃ先生が伝えたい幼児向け性教育のポイント #性のギモン
言葉で説明しづらいときは「絵本」を活用するのも一つの手
――性教育にまつわる絵本や動画などが増えていますが、幼児向けに家庭で性教育を行う場合、どういったものを活用するとよいのでしょうか。 てぃ先生: 絵本はすごくいいと思います。親が言葉にしづらい部分とか、どうやって説明すればいいのか悩む部分が、小さなお子さんたちにも伝わりやすいようなニュアンスや表現がされているので。悩んだらとりあえず、絵本を買って一緒に読むといいと思います。 有名なものでは「ぼくのからだここなあに」(ポプラ社)や「わたしのからだ」(NPO法人からだフシギ)があります。最近僕が気に入ってよく使っているものは「性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?」(KADOKAWA)です。2021年に発売された絵本なので、最近のトレンドやお父さんお母さんがよく見聞きするような内容が含まれているのでおすすめです。 自分ではうまく説明できないと思う方は、そういうツールを活用するのはありです。最近はYouTubeなどでわかりやすく性を教えてくれる動画もありますし、お子さんと一緒に学ぶ、知る機会を作るのはとてもいいと感じますね。
親世代が性教育を恥ずかしいと思うのは当然。だけど、今の子どもたちを取り巻く環境は違う
――改めて、幼児に性教育をするにあたってどういった心構えが必要なのかお聞かせください。 てぃ先生: 僕たちが育ってきた時代と、今子どもたちが生きている時代って、明らかに違うじゃないですか。環境も社会も、お父さんやお母さんの働き方も違う。僕は今35歳ですが、性教育や保健体育の授業は男女別々、そういう話題になるとクラス全体がクスクスするような環境でした。僕たちは性教育は「恥ずかしいもの」「人前で話すことではない」という価値観の中で育ってきた。だから、いざ子どもに卵子や精子について話そうとすると恥ずかしく感じるのは当然なのです。 その価値観を変えるっていうのはなかなか難しいと思いますが、今の子どもたちは我々とは違う時代の中で育っているので、その変化に保護者も対応をしなきゃいけない。これからを生きる子どもたちのために性教育はとても大事なことなので、それぞれご家庭で無理のない範囲で進めていけるといいですね。 ----- てぃ先生 関東の保育園に勤める男性保育士。ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワーは50万人を超える。子育てや保育に関する情報を発信するYouTubeチャンネルも50万人以上の登録者数を誇る。自身初の育児本となる『てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』(ダイヤモンド社)など、多くの書籍も出版。テレビやラジオをはじめとしたメディアへの出演も多数。 文:西沢裕子 制作協力:BitStar 「#性のギモン」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の1つです。人間関係やからだの悩みなど、さまざまな視点から「性」について、そして性教育について取り上げます。子どもから大人まで関わる性のこと、一緒に考えてみませんか。