実力は本物!なぜBOX転向2戦目を衝撃1回TKOで飾った元K-1王者の武居由樹は那須川天心との対決を熱望したのか?
元K―1王者からボクシングに転向した武居由樹(25、大橋)が9日、後楽園ホールで54.5キロ契約6回戦でプロ第2戦に挑み5戦5勝5KOの竹田梓(24、高崎)を1ラウンド2分57秒TKOで下した。3月のプロデビューに続き連続KO勝利。成長を評価した大橋秀行会長は来年にもローカルタイトルへの挑戦を約束した。来春には天才キックボクサー、那須川天心(23、TARGET/Cygames)がボクシング界に転向してくるが「先に上で待つ。試合をしたい気持ちはある」とプライドと共に熱いメッセージを送った。
コンビネーションからの右フックで仕留める
元K-1王者の看板はダテではない。“聖地”後楽園ホールに衝撃が走った。軽い右のジャブから体を半身にしてスタンスを広げてタイミングを遅らせたスイング系の左ボディをめりこませた。ガードが下がったところにインパクト十分の右フック。 「そんなガツンといったパンチじゃなくタイミングよく打てた」 力まないパンチの方が威力が増す。K-1から転向2戦目にして、武居はボクシングの高等テクニックをリングで表現した。 竹田は前のめりになって崩れ落ちた。竹田は、立ち上がり右手を上げて染谷レフェリーに試合続行の意思を示したが足が二度、三度よろけた。1ラウンド終了3秒前にTKOが宣言された。 武居はダウンさせた瞬間から勝利を確信したかのように右手を掲げリングを回っていた。 「実は、入場直前に、八重樫さんから『フック、ジャブジャブ、フックだぞ』と聞いた。それが頭に入っていて出たのかな」 3月のデビュー戦に続き2試合連続の1ラウンドTKO勝利を飾った武居は、試合後、舞台裏を明かす。 専属トレーナーである元3階級制覇王者、八重樫東の“金言”があったのだ。 大橋会長からの「もっと早く教えておいた方がよかったんじゃないか」のつっこみもあって、“激闘王”も、思わぬ暴露にしどろもどろ。そのアドバイスの理由を「武居は外から当てにいくパンチがメインなんですが、それだけだと頭打ちになる。1ラウンドはジャブからコンビを組み立て、しっかりとジャブを打てば、そこから外のパンチが当たるんです」と説明した。