亀田興毅氏が和毅のRIZIN参戦に“待った”をかけてボクシングでの世界タイトル再奪取プランを薦めたワケ
プロボクシングの元2階級制覇王者、亀田和毅(29)が兄の興毅氏(34)が開設したジム「3150ファイトクラブ」の所属選手第一号となったことが9日、大阪西成区の同ジムで正式に発表、練習が公開された。大阪での再起戦の日程と対戦相手は近々発表される予定で和毅は「年内にスーパーバンタム級で世界王者に返り咲きたい」と宣言した。所属先の協栄が休会状態となるなど国内で戦う場所のなくなっていた和毅は、総合格闘技イベント「RIZIN」参戦も検討していたが、興毅氏が「ボクシングで世界を目指せる。格闘技は今やることじゃない」と引き止めた。昨年5月にパパとなった和毅は、父の責任をモチベーションに加えて再起戦のリングに立つ。
「年内に世界王者に返り咲きたい」
亀田和毅は波乱のボクシング人生のリスタートの地を故郷大阪に決めた。兄の興毅氏が1日に大阪で立ち上げた新ジム「3150ファイトクラブ」所属プロの第1号。 「嬉しい。1年半以上試合ができていない。これでついにライセンスも届きようやく試合ができる。気合が入っています。まずは試合をしたい。世界ランクに入って、今年中には世界王者に返り咲きたい」 久しぶりにメディアの前に出る和毅は喜びを隠さなかった。 すでに家族3人でジムの近くに引っ越してきた。 狙う階級は、これまでと同じくスーパーバンタム級。 「フェザー級で3階級制覇に行こうかなとも思ったけれど、そこだけを狙ってもチャンスがどうかなと考えた。スーパーバンタム級でもう一度チャンピオンになりたい」 並んで会見を行った兄の興毅氏も弟を引き立てた。 「まだ29歳。レベルが高いし持っているものも高い。世界王者に返り咲く実力は十分。3150ファイトクラブ第1号の世界王者になれるんじゃないか」 注目の再起戦は5月に大阪だ。 WBC世界スーパーバンタム級暫定王者だった和毅は2019年7月に米国カリフォルニア州で正規王者のレイ・バルガス(メキシコ)と統一戦を行い0-3の判定で敗れた。互いにダウンシーンはなく、バルガスに上手くポイントアウトされた試合だったが、米国で権威のあるリング誌は「亀田は熱烈で忠実なファンを楽しませるだけのメンタリティと個性を持っている。ラテンアメリカにおける市場価値を落とさなかった」と評価していた。 だが、その後、所属していた協栄が休会状態となり、ジムを離れた和毅はJBC規定に従い国内では試合ができなくなっていた。昨年4月には米国ラスベガスでフェザー級のノンタイトル戦での再起が決まっていたが、新型コロナの影響で中止。その後、メキシコに戻ってチャンスを待ったが、ここにも新型コロナ禍が襲い、5月27日に長男の望有(ノア)君が生まれたこともあって、8月末には日本に帰国していた。 ――ボクシングをもうあきらめよう、引退しようと思ったことは? 「それはなかった。15歳でメキシコに渡り、計量後に試合が中止なんてしょっちゅうあたったから。逆に体を休めるいい機会と思った。辞めたいと思ったことはなかった」