増える「見えないクラスター」 コロナ感染拡大の一因に?
感染者が十分減り切らなかった“第2波”
では、なぜ見えないクラスターが増加してしまったのか。記者からの質問に対し、厚生労働省クラスター班の東北大・押谷仁教授は「見えないものなので推論するしかないが」と前置きしつつ、こう続けた。 「(第2波は)7月終わりにいったんピークを迎えてその後下がってはきたが、8月の中旬以降、ほぼフラットな形で3か月くらい続いていた」
感染者数が十分減り切らずに「下げ止まり」の状態が夏以降も続いた。それによって「見えないところにどんどんウイルスが入りこんでしまう。見えないところに行ってしまうので、どんどん感染が拡大していったということが一つは考えられる」。 さらに、それは若い世代の中で広がっていったのではないかという。リンクが分かっている中には、職場の若者や、大学生から感染したケースがあった。若い世代は感染しても軽症だったり無症状だったりすることが多いとされる。「総合して考えると、より見えにくいところ、特に若い人たちの間で(見えないクラスターが)広がっていたと考えるべきかと思う」。同様の傾向は欧州や北米でも見られていると付け加えた。