なんと、次は「91年後」…2025と45の、じつに意外な関係…次回までに「素数の年は何回ある」でしょうか
新年あけましておめでとうございます! 「素数シリーズ三部作」(『素数が奏でる物語』『素数はめぐる』『有限の中の無限』)でブルーバックスを代表する人気著者コンビ・西来路文朗さんと清水健一さん。最新刊『ガウスの黄金定理』も大好評のお二人が、今年も新しい「数の世界」を案内してくださいます! 今回は、今日から始まった2025年にちなんで、「2025」にまつわるお話です。 「2025は5の倍数で素数でもないし、つまらなそうだなあ」と思った人こそ、ぜひお読みください。なんと2025には、じつにふしぎな形をした4通りの表し方があるのですが、その1つ1つに「深くて美しい」数学上の重要な性質が隠れているのです! 一年の計は元旦にあり。今年最初の数の世界を探訪してみましょう。
次は「91年」後
新しい年2025年が始まりました。 新しい年を迎えると、西暦の年の数論的な意味を考えたりします。たとえば、素数であるとか、2ⁿ-1(メルセンヌ数)の形であるとかなどということを考えます。 今年の2025は、 2025=45² となって平方数です。 「平方数」とは、自然数の2乗(平方)である数で 1², 2², 3², 4², …, 44², 45², 46², … つまり、 1, 4, 9, 16, …, 1936, 2025, 2116, … が平方数です。 「今年が平方数だからといって、それがどうした」と言われそうですが、上の数字からわかるように、次の平方数の年は2116年で91年後になります。そういう意味で、今年は稀有な年であるといえるでしょう。
「2025 」は何通りで表せる?
2025 は、次に示すように、他にもいろいろな表し方が考えられます。 2025=1+3+5+7+…+89 (89 までの奇数の和) 2025=1³+2³+3³+4³+5³+6³+7³+8³+9³ 2025=9²+18²+18²+36² 右辺を見たかぎりでは、これらが同じ数であることはすぐにはわかりませんが、すべて2025に等しいので、同じ数を表しています。つまり、45²も含めて、これら4通りの表し方がすべて等しいのです。 しかも、これらは数遊びのようにたまたま等しくなったわけではなく、数学的な意味をもっています。いったいどんな意味でしょうか?