「宣言」9都道府県に拡大 菅首相が会見(全文1)期間は今月末まで、後の対応はその時点で判断
専門家との事前調整が不十分だったのか
司会:それでは、これから皆さまよりご質問をいただきます。尾身会長におかれましては所定の位置にお進みください。ご質問の内容によりまして尾身会長にもご説明をいただきます。指名を受けられました方はお近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、所属とお名前を明らかにしていただいた上で1問ずつご質問をお願いいたします。 まず、幹事社2社からご質問をいただきます。共同通信、吉浦さん、どうぞ。 共同通信:共同通信の吉浦です。よろしくお願いします。政府は本日の基本的対処方針分科会で専門家の意見を受けて、当初は予定していなかった緊急事態宣言を3道県に適用することになりました。当初の政府の見通しが甘かったのではないかとの指摘にどのように答えますか。今回は専門家との事前の調整が不十分だったのでしょうか。3回目の緊急事態宣言から約3週間が経過しても感染拡大を抑えられず、むしろ地方に広がっている今の現状をどのように受け止めていらっしゃいますか。よろしくお願いします。 菅:これまで政府としては、地域の感染状況を踏まえた感染防止対策を分科会に諮問することによるとともに、そこで専門家のご意見を踏まえた上で適切に対応してきました。今朝の分科会では専門家から、より強いメッセージを出すことが必要というご意見があり、そうしたご意見を尊重し、比較的人口規模も大きく影響が懸念されることも踏まえて緊急事態宣言の対象とする。このことの判断をいたしました。 緊急事態宣言を発してから3週間が経過するわけでありますけど、大阪においては新規感染者数は減少に転じております。東京においてはおおむね横ばいの状況だというふうに認識をしています。引き続き感染拡大を食い止めるために徹底して取り組んでいきたいと、このように思います。 尾身会長からもよろしいですか。
意見が違うことも当然、時々はある
尾身:政府とは私ども専門家は、特に私の場合には西村大臣と毎日のように意見交換をして、危機感だとか情報の共有をしております。それで、もちろん政府とわれわれ専門家の間では視点や立場も異なりますので、個別のテーマ、あるいは個別の議論については意見が違うことも当然、時々はあるわけであります。 そうした中、本日、諮問を受けたわけですけど、今回は北海道、岡山、広島についてこのような意見をわれわれが述べさせていただいた理由は、いろいろありますけど主に4点あったと思います。1つは、もうこの3県については、北海道、岡山、広島、いわゆるステージ分類では総合的に言えばこれはもうステージ4だという、このことが1点ですね。それから変異株の影響が非常に今、最近強くなっているので、すでにもう感染が拡大していますけども、さらなる感染の拡大というのが懸念されているということ。 それから3番目は病床の逼迫状況が、数ではいろいろ、もうすでに厳しいんですけど、実際は数が示すよりもさらに厳しい状況にあるというのがわれわれのいろんなところからの判断です。それから最後には、今、総理もおっしゃっていましたけども、緊急事態という強い宣言という、強いメッセージ、これは重点措置よりは強いですね。この強いメッセージが今の状況を改善するには必要だと。そういった主な4点で、われわれとしてはこうしたことを率直に政府に述べるのがわれわれの責任だと述べましたところ、政府は非常に早い対応をしてわれわれの意見を採用していただいたということだと思います。 司会:続きまして東京新聞の清水さん、どうぞ。