【Q&A】「緊急事態宣言」9都道府県に拡大 感染対策の内容は?
新型コロナウイルス感染症対策として首相が発出する「緊急事態宣言」。昨年4月、今年1月に続き、4月25日に出された3回目の宣言は5月16日から9都道府県に対象が拡大されることになりました。ニュースでよく耳にする緊急事態宣言ですが、どのような内容なのでしょうか。また、その対策によって私たちの生活はどんな影響があるのでしょうか。過去2回の宣言を振り返りながら見てみましょう。 【図表】新設された「まん延防止等重点措置」と「緊急事態宣言」の違いは?
Q:そもそも政府の「緊急事態宣言」って?
発出するには(1)国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れがある(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活・国民経済に甚大な影響を及ぼす、あるいはその恐れがある――の2つの要素が認められる必要があります。
Q:対象地域はどこ? どう決まるの?
政府は緊急事態宣言を発出する際に(1)期間(2)区域(3)緊急事態の概要をそれぞれ示す必要があります。宣言の内容や具体的な対策は「基本的対処方針」という文書に記され、各都道府県はそれを踏まえて対策を実施します。宣言の発出や内容を変更をするには、専門家らで構成する政府の「基本的対処方針分科会」(会長:尾身茂氏)に諮って意見を聞く手続きが必要です。 3回目となる今回の宣言は当初、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に、4月25日から5月11日までの17日間で設定されていました。しかし全国的な感染拡大に歯止めがかからない状況を受け、期間が5月31日までに延長され、対象地域も愛知、福岡の2県が加えられました。16日からはさらに北海道、広島、岡山の3道県が追加されます。
Q:今回の宣言ではどんな対策が取られるの?
今回の緊急事態宣言では、人と人との接触機会を減らし、人流を抑制する観点から、 ▽酒類やカラオケを提供する飲食店に対して休業要請(それ以外の飲食店は午後8時までの営業時間短縮を要請) ▽百貨店など床面積が計1000平方メートルを超える大型商業施設に対して午後8時までの営業時間短縮を要請 ▽スポーツなど大規模イベントは上限5000人か収容率50%以下の少ない方の人数で開催要請 ▽テレワーク活用で出勤者数の7割削減を目指し、事業者に実施状況の公表を求める などの対策が盛り込まれています。 ただ、知事の判断によって、大型商業施設への休業要請やイベントの無観客開催などの強い措置を継続することも可能としています。 そのほか、酒類の持ち込みを認める飲食店も休業要請の対象とし、公園や路上での集団での飲酒に対しても注意喚起や自粛を要請することができます。