澤穂希(元女子サッカー代表)の名言「苦しい時は、私の背中を見て」を振り返る──パリ2024オリンピック特集「レジェンドが名場面を振り返る」
柔道の阿部一二三、詩選手の2連覇に期待!
──今回のパリオリンピック全体で楽しみにしている競技を教えてください。 ずっと団体競技でプレイしてたのでもちろんサッカーは外せないですが、個人競技では柔道の阿部一二三さんと阿部詩さんです。東京オリンピックでは2人で金メダルを獲っていますから、今回は兄妹での2連覇がかかっています。高校生の詩さんが柔道をやる気をなくしまった時に、お兄さんが「叩きのめした」っていうエピソードを一二三さんに聞きましたが、それって兄妹だからこそ。愛情を持って接する兄妹愛って、すごく素敵だと思っています。一二三さんと共演させていただいたこともあって、より一層応援したくなっちゃいますね。 自分のミスをチームメイトがカバーしてくれたり、あるいはチームメイトのミスを自分がカバーできたりもするので、私には団体競技が合っているとは思うんですが、だからこそ個人競技にはリスペクトする気持ちが強いのかもしれません。 ──大一番の場面、澤さんにとって心技体の中で、何が重要なんでしょうか。 自分の現役を通しての経験としては、心と体が一致していないとダメです。技術は1日や2日で変わらないですから、心と体の一致が必須。自分が現役引退したのも、心と体が一致せず世界で戦えないと思ったのが理由です。 逆に言うと、心技体が3つ全部合致すれば、世界一が獲れると思います。とはいえ、心が良くても体がついてこないパターンもありますし、体に心がついてこない場面もあるでしょう。とにかく私の中では、心と体が合致した時にベストパフォーマンスが出せると思いますね。
澤穂希 元サッカー女子日本代表 15歳で日本代表初招集。6度ワールカップに出場し、2011年ドイツ大会で初優勝。MVPと得点王を獲得し、同年度のFIFA女子年間最優秀選手を受賞。オリンピックは4度出場し、12年ロンドン大会で銀メダル。同年12月に現役引退。 文と編集・神谷 晃 AKIRA KAMIYA(GQ)
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