全米女子OP予選落ち渋野日向子の東京五輪出場が絶体絶命ピンチ…一発逆転の可能性は残る「全米女子プロ」でのV争い
後半のアウトは3ボギーで、1バーディー、6ボギーの76で通算7オーバー。 この日は午前8時39分と早いスタートで、ホールアウト直後は予選カットラインは読めない状況だったが、終わってみれば1打差の予選落ち。「どれか1個入っていればと思う。ショットがいい分、悔しい。どうにもできなかったのが、悔しい」の言葉にも実感がこもる。 この日のパット数は35。 「入らなかったパットは全部自分の責任。ミスパットばかりで自分に腹が立ちますし、ラインの読み間違いだとまだいいんですけど、いろいろ積もり積もって…」と苦しんだパットを悔やんだ。 ショットの安定感では渋野に劣ったが、28パットにまとめた畑岡は69と2つ伸ばして、通算1アンダーの9位タイに浮上した。グリーン上で2人の明暗はくっきりと分かれた。 またフィリピン代表で五輪出場を狙う“女ウッズ”こと笹生優花(19、ICTSI)が首位と2打差の6位から出て、6バーディー、2ボギーの67で通算6アンダー、136で単独トップに躍り出ている。 世界ランキング13位で日本勢トップの畑岡の五輪代表入りは、まず間違いないだろう。残り1枠を中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンで優勝した同24位の稲見萌寧、同27位の古江彩佳、そして同30位の渋野で争う展開だが、今回の予選落ちで渋野は絶体絶命のピンチに追い込まれた。 残された試合は6月24日開幕のメジャー第3戦「全米女子プロ選手権」(米ジョージア州アトランタ、アスレチック・クラブ)だけ。国内組の稲見、古江は、6日が最終日の「ヨネックスレディス」後は今月末まで「サントリーレディス」「ニチレイレディス」「アース・モンダミンカップ」と3試合を残している。 女子の世界ランキングは、2006年から導入されたが、男子と同じく合計ポイントではなく、直近の2年間の平均ポイントで決定される。出場選手によって大会のクラスが決められ、ポイントが違うが、幸いにして5大メジャー大会のポイントは最高ポイントに設定されている。渋野が出場する「全米女子プロ選手権」は、5大メジャー大会のため獲得ポイントが高い。追いかける渋野が一発勝負で、前をいく2人には3試合残っているのは、渋野にとっては不利な要素ではあるが、一発逆転の可能性はまだ残されている。
「米ツアーで戦いたい。五輪は通過点」と話し、4月から長期の海外遠征に出た。だが、ここまでの6試合で、最高成績は「ピュアシルク選手権」の31位。渡米前は15位だった世界ランキングも下降線をたどっている。一発逆転で東京五輪に出場するにはラストチャンスとなる、この「全米女子プロ選手権」での優勝争いが絶対条件。 新型コロナ禍で1年延期とならなければ、その時点で、日本人2位の世界ランキング13位だった渋野が日の丸を背負って五輪の大舞台に立っていたはずだった。これも運命。6月24日からの戦いで、渋野の“持っている力”が試されることになる。