「時代錯誤ルール」批判でネット炎上…なぜ渋野日向子は大会欠場で罰金100万円を取られたのか?
大会を告知するポスターが物悲しい。ティーショットを放つ、正面からの大写しの被写体は渋野日向子(22、サントリー)一人だけ。だが、その主役は、6日にタイで開幕した米女子ゴルフの「ホンダLPGAタイランド」(サイアムCC)に出場していた。何とも間が抜けたポスターでもある。 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は、同じく6日に開幕した女子ゴルフの今年最初の国内メジャー「ワールドレディス選手権サロンパス杯」(茨城・茨城GC東C)を欠場した渋野に対し罰金100万円を科すことを決定した。昨年大会は新型コロナ禍で中止となり、2019年大会で優勝した渋野は前回大会優勝者として出場義務があった。罰金はJLPGAのツアー規定の第5章第25条「ツアー競技優勝者の翌年度出場義務」に抵触したことによるものだった。 罰金はチャリティーに寄贈される方向だが、ネット上は、この処分に対しての批判の声で炎上した。 「米ツアー優先の選手に罰金は時代錯誤」 「海外進出する選手の足を引っ張るようなものは改定した方が良い」 「もっとルールに柔軟性があっていい」 「新型コロナの隔離期間を考えると、簡単にこの大会だけのためには帰ってこれない。今年は特別措置があっていい」 実は、同ツアー規定には、メジャーなど「海外主要トーナメントに出場する場合は出場義務を免除する」と明記されている。いわゆる海外メジャーの挑戦にまでに足枷をしたものではなかった。だが、今回、渋野が出場している「ホンダLPGAタイランド」は、主要トーナメントとしてはみなされず免除の対象にもならなかった。 罰金は4月28日の理事会で決定し、5日に「サロンパス杯」の会場で会見した森本多津子大会実行委員長は、「トーナメント規定通り、ディフェンディングチャンピオンの出場義務違反ということで罰金を支払っていただくことになっております」と説明。同席したJLPGAの小林浩美会長は「みんなが渋野さんの出場を楽しみにしていましたが、本人が米国で頑張りたいという気持ちが強く、今はあっちで頑張ってくれているので、仕方がない」と発言した。確かに新型コロナ禍の特殊な事情を考慮すれば、今大会の欠場が特例扱いとなってもおかしくはなかったが、議論はされなかったようだ。 そもそも、なぜこの世の中の人には理解が難しいようなルールが作られたのか?