なぜ全米女子OP初日に渋野日向子は6ボギーを叩いたのか…「情けない発進」
女子ゴルフの全米女子オープンが日本時間4日未明にカリフォルニア州のオリンピッククラブ・レイクコース(6362ヤード、パー71)で開幕。昨年12月の前回大会で最終日まで優勝争いを演じた渋野日向子(22・サントリー)は4バーディー、6ボギーの2オーバー「73」の41位タイで初日を終えた。 ともに4アンダー「67」をマークしたメル・リード(33・イギリス)と、アマチュアのメーガ・ガン(17・アメリカ)が首位発進。総勢11人が出場している日本勢では、2アンダー「69」の笹生優花(19・ICTSI)が6位タイ、渋野と同組の畑岡奈紗(22・アビームコンサルティング)が1オーバー「72」の26位タイ、川満陽香理(34・GOLF5)が41位タイでそれぞれ回り、予選突破圏内となる60位タイ以内に入っている。
「今までで一番難しいコース」
横幅が狭いフェアウェイには、例外なくきつい傾斜が設けられている。左右には足首まで埋まる深いラフが広がり、グリーンの大半は縦長でピンの位置も難しい。 過去に男子の全米オープンが5度開催され、そのうち3度の優勝スコアがイーブンパー以上という屈指の難コースを前にして、渋野は自虐的な苦笑いを浮かべていた。 「いままでで一番難しいコースなので、(ショットが)ラフに入らないわけがない、と覚悟しておかないと、本当に苦しいゴルフになってしまうと思っています」 しかし、実際に初日をラウンドしていくなかで次々に誤算が生じた。アウトスタートの1番(パー5・535ヤード)でいきなりボギー。ホールアウト後のインタビューで「情けない発進」と話した渋野は、最終的に6個を数えたボギーをこう振り返った。 「ラフに入れてのボギーは仕方ないんですけど、ラフに入れなくてボギーというのが多かったので、それがすごく悔しいです」 ラフへ打ち込むのは避けられないと、あらかじめ想定していたティショットがフェアウェイをとらえたのは14ホール中で11ホール、キープ率は78.6%に達した。 しかし、セカンドショット以降の精度がなかなか上がってこない。初日を前に「成功すればOKというか、ラッキーと思っていいくらい」と話していたパーオンは、言葉通りに18ホール中でわずか8ホールに、率にして44.4%にとどまった。 パーオンに成功すればバーディーを奪い、逆に失敗すればほとんどのホールでボギーを叩く。3バーディー、4ボギーと出入りの激しいゴルフになった前半から、後半は12番(パー4・372ヤード)から4ホール続けてパーオンすら逃し、そのうち13番(パー3・176ヤード)と14番(パー4・398ヤード)で連続ボギーを叩いた。 自らに「我慢」の二文字を言い聞かせていた渋野は、それでも上位戦線に食らいついていくための活路を、アウトで1つ、インで2つあるロングホールに求めていた。 「バーディーを取れるホールが個人的にはなかなか見つからなかったので、3つあるパー5でどうにか、という感じです」 もっとも、前述したように出だしのロングホールで4オン、2パットのボギー。巻き返しを託したインのロングホール、16番(557ヤード)と17番(498ヤード)でもパーオンしながら、今度はバーディーパットが立て続けにカップに嫌われた。 それでも、16番ホール以降の内容そのものをあらためて分析してみれば、ティショットとアイアンショットがしっかりと噛み合ってきたことがわかる。