【コラム】角田裕毅にとって正念場の5年目…ホンダとのつながり関係なしに未来を勝ち取るため、2025年に成すべきこと|F1
その一方でホンダは2020年10月2日、2021年限りでF1活動を終了すると正式にアナウンスしている。この時の角田はF1昇格を目指してF2で戦っている最中。同年のF2最終戦となるラウンド12バーレーン(2020年12月5日~6日)がスタートする時点で、F2で総合5位だった。 進退の懸かった大一番、F2最終戦の予選でポールポジションを獲得した角田は4ポイントを加え、ドライバーズポイントを157から161に伸ばし、ロバート・シュワルツマンを抜いてランキング4位に浮上した。 レース1(フィーチャーレース)でポールスタートだった角田はニキータ・マゼピン、シュワルツマンに抜かれ、P3に落としオープニングラップを終えた。だがここからタイヤを持たせながら冷静に周回を重ねると、シュワルツマンを抜き、残り4周でマゼピンもパスしてトップの座を取り返す。老練なレース運びを見せた角田はレース1優勝で25ポイントを加え、総合3位(186点)に浮上する。
翌日のレース2(スプリントレース)でも冷静に走った角田は2位フィニッシュ。さらにはファステストラップの2ポイントも加算し合計200ポイントでこのシーズンを終えた。ミック・シューマッハ(215点)、カラム・アイロット(201点)に続く総合3位ながら、ダニール・クビアトの後任としてアルファタウリのシートを獲得した。 角田の2021年F1デビューが正式発表されたのは、2020年12月16日のこと。すでにピエール・ガスリーは契約更新が決まっており、クビアトは放出が既定路線だった。F2最終戦できっちり結果を示してスーパーライセンス取得条件をクリアすれば、角田はF1への道がおのずと拓ける状況だった。 つまりホンダのF1活動終了表明(2020年10月)とは関係なく、それから2カ月後角田はレッドブルグループのいちドライバーとして確かな力をF2で示し、F1昇格を地力で勝ち取った(2020年12月)ということになる。