なぜ阪神はわずか16日間で借金返済に成功したのか…”球界大御所”から矢野監督へのメッセージ
打線はリンクするもの。ボーア、サンズの両外国人の覚醒も見逃せない。開幕3戦目で4番から6番に降格、18打席ノーヒットの大不振スタートとなったボーアは7戦目となる6月26日の横浜DeNA戦ではスタメンからも外されたが、7月に入り打率.333、5本塁打、12打点と存在感を示している。6月27日の横浜DeNA戦での9回の逆転3ラン以外に活躍のなかったサンズも、ここ6試合は打率.400、1本塁打、5打点と目覚めてきた。 広岡氏は、ボーアについては「そのうち打つ。我慢すべし」と明言してきた。 「ボーアは良くなっている。日本球界への慣れというものもあるだろう。ボーアについて矢野に言ったのは、スイングのことだ。開幕から打てない時期は、スイングが波打っていた。打撃フォームのバランスが悪いからだ。これが本来の姿かどうか、どこまでやれるかは、まだ未知数だが、力は出してきた。パワーは群を抜くものがある。相手チームからすれば、ボーアが打線にいるのは嫌だろう」 ボーア、サンズらの活躍に刺激を受けたかのように打率1割台に低迷していた福留も16日のヤクルト戦で決勝の2ランを含む4打点、19日の中日戦でも「3の3」の4打点の活躍でヒーローとなるなど相乗効果が生まれている。まだ不安があるのは打率1割台から抜け出せない1番の近本くらい。近本が復調すれば、近本、糸原の1、2番の出塁率がアップし阪神打線はさらに活性化する。 「ペナントレースは、巨人がこのまま上(首位)にいることになるだろうが、やっと野球のわかってきた阪神は面白い存在になるかもしれない」 広岡氏は、阪神の“7月逆襲“はまだ続くと予想する。阪神は広島3連戦の初戦に秋山を送るが、23日の第3戦には、新型コロナ感染、遅刻騒動などで、まだ1軍登板のない藤浪を先発させる予定。藤浪が復活すれば、さらに阪神の勢いは増すだろう。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)