なぜ阪神はわずか16日間で借金返済に成功したのか…”球界大御所”から矢野監督へのメッセージ
打線不振解消のヒントとして広岡氏が薦めたのがセンター返しへの回帰だ。 「打てない理由は、バッティングの原点を忘れていたことにある。センター中心へ返すというバッティングをもう1度徹底することなのだ。つまり監督、コーチの指導不足。練習をさせていない。大山、糸原、梅野らに当たりが戻ってきたことで、打線がつながり始めたが、彼らは、そのセンター返しを心がけ始めたのだ」 現在、梅野が打率.344、糸原が打率.312、規定打席に到達していないが大山が打率.327とスタメンに3人の3割打者を揃えられている。 広岡氏は、「生え抜きの4番を育てるつもりがないのか」と大山の4番起用を強く提言した。外国人は、あくまでも脇役で生え抜きの4番を育てなければ、毎年、チームの編成がコロコロと変わり、常勝と呼ばれるチーム作りの土台はできないと主張する。 「大山になんのために昨年100試合以上も4番を打たせたのだ。まだ近本の調子が上がらず1、2番の出塁率は悪いが、大山が4番に入ることで、その後ろのボーア、サンズが機能するようになってきた。大山は、センター返しのタイミングでボールを迎えることができるようになっている。“センター返しの感覚で引っ張る!“ということが大事なのだが、今はそういう状態にある。今は大山が阪神の打線の中心になっている」 大山は、開幕から13試合中、11試合でスタメンから外れた。開幕三塁は、昨年、108試合も4番を任せた大山でなくマルテだった。チームの強化方針、育成方針のブレを如実に表すようなスタートとなり、24年ぶりとなる開幕からの4カード連続負け越しを喫した。しかし、マルテがケガをするという外的要因があって7月5日の広島戦から大山を4番で起用してから打線が回り始めた。 サンズを3番で使った17、19日の中日戦を除き、糸井、大山、ボーア、サンズ、梅野の3番から7番までを固定。開幕当初から問題だった「6番不在問題」もクリアした。 大山が4番に入って以来、チーム得点は「5.2」に跳ね上がった。