最下位阪神の打撃不振理由は「調整の失敗」なのか?
阪神が開幕ダッシュに失敗した。ここまで2勝10敗で4連敗中だ。3日にマツダスタジアムで行われる予定だった広島戦は雨天中止。6日の予備日が使われることになり、最悪のチーム状態に加え、今日4日から9連戦の試練がのしかかる。日替わり打線は、機能せずチーム打率は.201。“ノムラIDの申し子”として楽天、巨人、西武で参謀を務めた現・新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ強化アドバイザー兼総合コーチの橋上秀樹氏は、開幕ダッシュ失敗の要因となった打線不振を「調整の失敗」と指摘した。
雨天中止で9連戦試練
4連敗の気分を変えるには絶好の雨天中止のはずだった。だが、イレギュラーな日程の今季はそうとは言えない。約3か月遅れの過密日程を消化するため、月曜日には予備日が入れられており、この日の試合は6日に移動。4日から12日まで9連戦を戦うことになった。最悪のチーム状況で、9連戦を乗り切るのは、なんとも辛い。 ここまでの戦績は2勝10敗。開幕4カード負け越しは、1996年以来、24年ぶりの屈辱である。ちなみに藤田平氏が指揮をとった1996年は、最下位に終わり、9月13日に藤田氏が途中休養する“最悪の事態”に発展した暗黒のシーズンである。この日、巨人が中日に勝ったことで、首位・巨人とのゲーム差は「7」に広がった。すでにメディアで取り上げられているが、過去に逆転優勝を果たした最大ゲーム差は1964年の6.5。阪神は“デッドライン“をついに超えたことになるが、これは単なる数字のマジックでもある。 それ以上に深刻なのは一向に好転の見られない打線だ。 1試合の平均得点「2」、チーム打率.201は共に12球団ワースト。チーム本塁打「9」も中日の「7」に次いで少ない。打順を日替わりで変えているが、効果はなく、救世主は出てきていない。6月27日の横浜DeNA戦で1軍昇格してすぐに9回二死から逆転3ランを放ったサンズも、その後はサッパリ。1番・近本の打率.149も頭が痛い。 なぜ打てないのか。