菅首相が会見 東京に4度目の宣言(全文1)接種の進む市町村に多く配分
飲食店への協力金事前支払いを可能に
また、多くの飲食店にとってお酒の提供が営業を続ける上での死活問題となっているという声も耳にします。支給の遅れが経営問題に直結することがないように、これまでの協力金を簡易な審査で速やかに支給するとともに、今後の措置にご協力いただける飲食店に対しては協力金を事前に支払うことを可能とします。 同時に、今後、各都府県において飲食店への見回りを拡大し、対策の実効性を高めてまいります。お酒を伴う飲食はどうしてもマスクを外す時間が長くなり、大きな声での会話も避けられません。飲食店の皆さんには度重なるお願いに大変申し訳なく思いますが、いま一度、何とぞご協力をお願い申し上げます。 また、東京では20代から50代の感染者が急増し、40代・50代では重症者も増えています。職場や家庭内の感染も顕著になっています。マスク、手洗い、3密の回避という基本的な感染対策を徹底し、とりわけ会話の際にはマスクを着用するようお願いをいたします。 全国の津々浦々でワクチン接種の加速が進んでいます。自衛隊や医療などの関係者のご尽力により、今や世界でも最もスピードで接種が行われているといわれています。1週間の接種回数は900万回を超えています。本格的な接種が始まってから2カ月余りで累計の回数は5400万回を超え、すでに高齢者の72%、全国民の27%が1回の接種を終えています。 先行してワクチン接種が進められた国々ではワクチンを1回接種した方の割合が人口の4割に達した辺りから、感染者の減少傾向が明確になったとの指摘もあります。今のペースで進めば今月末には希望する高齢者の2回の接種は完了し、一度でも接種した人の数は全国民の4割に達する見通しであります。
接種が円滑に進むよう努める
一方、予想を上回るペースで接種が進む中で、一部の自治体などからワクチンが足りないとの声が聞かれます。全体として全国の自治体には先月までに9000万回のファイザー社のワクチンが人口に応じて配分されております。そのうち4000万回分が使用されずに在庫となっていると見込まれます。その上で7月から9月には毎月2500万回分が配分されます。このため在庫を合わせて活用していただければ、1日120万回程度のペースで接種を続けていくことが可能です。ワクチンの配分方法についても来月から、接種の進む市町村に多く配分できるよう見直しを行うこととし、また、配分量をできるだけ早期にお示しすることによって、接種が円滑に進むように努めてまいります。 加えて、モデルナ社のワクチンがこれまでに1400万回分確保され、9月までに3600万回分が追加されます。これを活用した企業や大学などの接種についても、先週までに200万回の接種が行われました。受け付けた申請の精査を速やかに行い、確実に対応してまいります。多くの皆さまに大変なご心配をお掛けしましたが、このように9月までに希望される全ての国民に接種が可能となる2億2000万回分の十分な量が確保されております。速やかに接種に万全を尽くしてまいります。 オリンピックの開幕まであと2週間です。緊急事態宣言の下で異例の開催となりました。海外から選手団、大会関係者が順次、入国しています。入国前に2回、入国時の検査に加え、入国後も選手は毎日、検査を行っており、ウイルスの国内への流入を徹底して防いでまいります。選手や大会関係者の多くはワクチン接種を済ませており、行動は指定されたホテルと事前に提出された外出先に限定をされ、一般の国民の皆さんと接触することがないように管理されます。 東京大会について、私はこれまで、緊急事態宣言となれば無観客も辞さない、このように申し上げてきました。そうした中で、このあとの組織委員会、東京都、IOCなどとの5者協議において観客の取り扱いが決められる予定です。世界で40億人がテレビを通じて視聴するといわれるオリンピック・パラリンピックには、世界中の人々の心を1つにする力があります。新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が1つになれることを、そして全人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを、東京から発信をしたいと思います。 また、東京は史上初めてパラリンピックを二度、開催する都市となります。障害のある方もない方も、お年寄りも若者も、みんなが助け合って共に生きるという共生社会の実現に向けた心のバリアフリーの精神をしっかり伝えたいと思います。