【図解】東京に4回目の「宣言」 感染防止対策はどう変わる?
新型コロナウイルス感染症対策として首相が発出する「緊急事態宣言」。昨年4月、そして今年1月と4月に続き、7月12日からは東京都に4回目となる宣言が発出されます。埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と大阪府では「まん延防止等重点措置」が延長されます。ニュースでよく耳にする緊急事態宣言とまん延防止等重点措置ですが、どのような内容なのでしょうか。 【図解】変異ウイルスに国名は「差別助長」 WHO、ギリシャ文字での区別を推奨
Q:そもそも政府の「緊急事態宣言」って?
発出するには(1)国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れがある(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活・国民経済に甚大な影響を及ぼす、あるいはその恐れがある――の2つの要素が認められる必要があります。
Q:対象地域はどこ? どう決まるの?
政府は緊急事態宣言を出す際に(1)期間(2)区域(3)緊急事態の概要、をそれぞれ示す必要があります。宣言の内容や具体的な対策は「基本的対処方針」という文書に記され、各都道府県はそれを踏まえて対策を実施します。宣言を出したり内容を変更したりする場合は、専門家らで構成する政府の「基本的対処方針分科会」(会長:尾身茂氏)に諮って意見を聞く手続きが必要です。 3回目の宣言は、4月25日に東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に発出された後、対象地域の追加や延長がなされ、6月20日には沖縄県を除く東京、大阪など9都道府県で解除されました。しかし、東京では新規感染者が再び増加に転じ、インド由来の「デルタ株」への置き換わりが進んでいることなどから、3週間後の再発出となりました。期間は沖縄県とともに8月22日までです。
Q:今回の宣言ではどんな対策が取られるの?
今回の緊急事態宣言は、期間中に東京五輪(7月23日~8月8日)をはじめ、4連休や夏休み、お盆が控え、人びとの移動や活動が活発になることが予想されるため、「先手先手で予防的措置を講じる」(菅義偉首相)ことを目的に発出が決まりました。 感染拡大防止対策としては、当初の3回目の宣言と同様に、飲食店における酒類の提供を停止することが大きな柱です。具体的には、 ▽酒類やカラオケを提供する飲食店に対して休業要請(それ以外の飲食店は午後8時までの営業時間短縮を要請) ▽床面積が計1000平方メートルを超える大型商業施設に対して午後8時までの営業時間短縮を要請 ▽大規模イベントは上限5000人かつ収容率50%以下で開催要請 などの対策が盛り込まれています。 酒類提供の停止を徹底するために、飲食店への協力金の先渡しが可能になる仕組みの導入するほか、休業要請などに応じない飲食店と取り引きを行わないよう酒類販売業者に要請(※)します。さらに特別措置法に基づく命令・罰則を厳正に適用するともしました。 また、日中を含む不要不急の外出自粛や、不要不急の帰省や旅行など都道府県間の移動も極力控えることを求めています。 (※)…政府は13日、酒類販売事業者へのこの要請を撤回した。