タレント・山本量子さんが48歳で逝去 罹患していた「子宮頸がん」「卵巣がん」の原因・症状を医師が解説
卵巣がんの原因
卵巣がんの原因は、子宮頸がんや子宮体がんとは異なり、はっきりとした原因はわかっていない部分もありますが、以下に卵巣がんのリスク因子について解説していきます。 乳がんまたは卵巣がんの家族歴がある 卵巣がんの 5%程度は遺伝が原因だとわかっています。遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)という病気です。これは、主に乳がんの原因遺伝⼦(BRCA)に異常が生じていることで発生します。卵巣がんは通常では中高年の女性に好発しますが、それよりも若い年齢で上⽪性がんなどが発生します。 親や姉妹に、若い時期に乳がんや卵巣がんになった⼈がいる場合には、遺伝性の病気のカウンセラーなどがいる医療機関を受診し、検診を適切に受けるようにするなどの対応をとると良いでしょう。 ⼦宮内膜症によるチョコレート嚢胞がある 卵巣には、良性の腫瘍ができる場合があります。例えば、子宮内膜症により卵巣内にチョコレートのような古い出血がたまると、卵巣子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)となります。⽇本において⼦宮内膜症による卵巣チョコレート嚢胞ががん化することが明らかになっています。 もしも卵巣嚢腫がある場合には、⼩さければ低⽤量ピルなどの薬物療法を⾏って、経過を観察します。50歳前後の閉経周辺期以降や、若くても 10cm 以上のサイズが大きいものがある場合は、がん化を予防するために手術によって摘出を考えたほうがいいとされています。 肥満・喫煙 肥満は卵巣がんによる死亡リスクを増加させるという報告があります。また、喫煙は一部の卵巣がんのリスクを高めるという報告もあります。 このように、生活習慣も卵巣がんの発生に関与しています。 妊娠経験がない 卵巣がんは、排卵回数が多いほどリスクが高まるという報告もあります。途切れのない排卵は卵巣上皮に損傷を与え、卵巣がんの発生率を高める可能性があるのです。そのため、妊娠経験がなかったり、不妊であったりして妊娠せずに過ごす期間が長くなり、生涯の月経回数が多くなると、その分排卵回数も増えるために卵巣がんのリスクが増すと考えられます。