タレント・山本量子さんが48歳で逝去 罹患していた「子宮頸がん」「卵巣がん」の原因・症状を医師が解説
子宮頸がんの初期症状
多くの子宮頸がんは、がんの前段階である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)や上皮内腺がん(AIS)を経て発症します。この段階では、一般的におりものの異常・出血・腹痛などの自覚症状はほとんどないといわれています。 症状が出た時にはすでに進行してしまっているケースが多いため、自覚症状がなくても子宮頸がん検診を定期的に受けて早期発見を心がけましょう。子宮頸がん予防のワクチンを打っていれば発症することはないと思っている方もいるでしょう。 しかし、ワクチンの効果は子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)のうち一部のウイルスの予防にとどまります。すべてのHPVを予防できるわけではないため、ワクチンを打っている方も定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。 検診の結果、がんの前段階である異形成と判断される場合もあるでしょう。異形成には軽度・中等度・高度の3段階があります。軽度の場合は自然治癒することもありますが、進行するケースもあるため定期的に経過観察を受けることが大事です。
進行した子宮頸がんの症状
初期段階ではほとんど自覚症状がみられない子宮頸がんですが、進行するとさまざまな症状が現れます。以下のような症状が現れた場合には注意が必要です。 •おりものの異常 •不正出血 •経血量の増加 •性交痛 •下腹部の痛み 一つずつ詳しくみていきましょう。 おりものの異常 子宮頸がんが進行すると、においを伴う濃い茶色のおりもの・膿のようなおりもの・水っぽいおりものなどがみられることがあります。おりものの様子が明らかにいつもと違う場合は、子宮頸がんの症状である可能性もあるため注意が必要です。 不正出血 子宮頸がんが進行すると、月経時以外にも出血が起こることがあります。 また、すでに閉経している女性の場合にも、子宮頸がんの症状として出血がみられるケースがあるでしょう。不正出血が気になる場合には、婦人科を受診しましょう。 経血量の増加 子宮頸がんが進行すると、経血の量が増加したり月経期間が長くなったりすることがあります。 経血の量が増える病気は子宮頸がんのほかにも子宮筋腫や子宮腺筋症などが考えられますが、経血量の増加のほかにも子宮頸がん特有の症状がみられる場合は注意が必要です。子宮頸がんの可能性を考えて婦人科を受診することをおすすめします。 性交痛 子宮頸がんの初期には、通常は性交痛が起こることはないとされています。しかしがんが進行してくると、性交時に痛みや出血などが起こることがあります。 ただし、性交痛は子宮筋腫・子宮内膜症・女性ホルモン(エストロゲン)の低下など、子宮頸がん以外の原因で起こることも考えられます。 出血がある場合やほかの子宮頸がん特有の症状もみられる場合には、子宮頸がんを疑う必要があるでしょう。