「法律が追い付いていない部分がある」伊藤詩織さん会見7月20日(本文2)
これまでどれほどの声がかき消されてきたのか
やっぱり私たちがこの社会で生きていく中で、それがもしかしたら生きる、やっぱり女性が少ない現場でなんとか仕事をしていく1つのすべだったんだと思います。それは本当に日本だけじゃなくて、やっと#MeTooの声が上がったハリウッドの現場でもそうでしたよね。だからいかに、当事者は、もう声を上げてる人は上げてるんだけれども、その周りが聞くか、それを報道として法の中で光を当てていくかっていうところがすごくポイントになってくると思うんです。それが本当に今、世界中でやっと起きた、起き始めたことで、いろんなお話をしてると、もう#MeTooが始まって5年で、もうこのストーリーはいいだろうっていう声も聞くんですけど、それでもやむことはなく、こういったストーリーがどんどん出てくるっていうことは、本当にこれまでどれくらいの声が聞かれてこなかったのか、かき消されてきたのかと想像すると、本当にこれは当事者だけではなんともできないことなんだなっていうことを感じてます。 一当事者として7年間こうやって向き合ってきたことは、正直なところ自分のプライベートなところ、自分のキャリアの面においてはとても、計画のしてなかった、正直なところ、このことをやるから故、仕事ができなかったことが多くありました。なので、本当にその現場で続けていきたいと思ったら、本当に大変なことだと思います。
私たちがどう光を当てていくかに尽きる
私の場合は友人であったり、周りにサポートしてくださる方がいながらも続けてきましたが、やはりその上で第2次、第3次と、誹謗中傷であったり、新しい尊厳を傷つけられるようなことと向き合う中で、このことを、もちろん自分の真実と向き合う、被害を語る、それが救済されるべきではあると思うけれども、果たして同じような経験をほかの人にしてほしいかというと、すごく迷います、これを勧めるのか。 でもそれは迷わせてる今この現状が変わっていないということだと思うので、少しでも、ただそれを改善するためにこうやって場所を設けていただき、耳を傾けていただき、そして発信していただくという機会があると思うので、それを私個人、発信するという側としての、その仕事の中でも今後もそういったことを続けていきたいので、本当にこれからも同じようなことが起き続けてしまうと思います。そういったときに私たちがどうそこに光を当てていくか、本当にそのことに尽くと思います。 今回、お2人、佃先生と山口先生、弁護士には、名誉毀損の裁判でお世話になっています。その中でやはり、今までたぶんこの本訴の性被害のことでは関わりがなかったんですけど、やっぱりそういった中で、先ほどもお話ししていた、じゃあ当事者がどう発信できるのか、周りはどう発信できるのかということでお互いに考えるところがあったと思うので、やはりこうやって広くディスカッションできる、そういった機会があるというのはすごく有意義なことだと思うので、これからもそういった議論を活発に皆さんとしていけたらなと思います。 司会:ほか、どなたか、あ、どうぞ。