日本社会の変化「まだまだその途中」伊藤詩織さん会見7月20日(本文3)
ジャーナリストの伊藤詩織さんは20日、都内で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「伊藤詩織さんが会見 性暴力被害で元TBS記者への賠償命令が確定(2022年7月20日)」に対応しております。 【動画】伊藤詩織さんが会見 性暴力被害で元TBS記者への賠償命令が確定(2022年7月20日) ◇ ◇
行動を起こしたことで日本の社会はどう変わったか
日刊スポーツ:日刊スポーツ、村上です。このたびはお疲れさまでした。今までの内容と重複する部分もあるかもしれないんですけれども、ちょっとお答えいただきたいのは、今回ご自身に、いろんな思いがあって起こされた今回の動きに関して、刑法のところはまだまだ変わってないところがある、課題もあるんだと思うんですけれども、逆にご自身が行動を起こされて、日本の社会においてどの点が例えば変わったのか、ご自身が声を上げられたことによってどういう意義があったのかっていう、その辺、ご自身はどのようにお考えなのでしょうか。 伊藤:これはたぶん私自身よりも、きっと周りで見てくださった先生方に、もしくは記者席に座ってる方に聞きたいですね。どういうふうに見え方が変わりましたかと。やはり最初にお話をした当時は、ある新聞ではボタンについてが書かれていたりだとか、私、2つボタンを開けていってしまったんですよね。そのときリクルートスーツを着ていけって言われて、それがすごくやはり、ある被害者像を、ステレオタイプに作り続けてるっていうのがすごく嫌で、私は自分の好きなものを着ますって言ったけれども、その人が言ったような本当に反応が返ってきてしまったり。
変わってきたのをこちらの席から感じる
ただ、こうやって対話を続けていく中で、相手側が誰かの言葉を引用されて被害者は笑わないっていうことをおっしゃったときに、いろいろな記者さんがそこに対して、なんでしょう、コメントをしてくださったり、記事を書いてくださったりしたんですよね。それは本当に時間が変わるたびに、聞いてくださってる方の見え方だったりが変わってきてるのかな、私も皆さんのお顔を見るたびにやはり、あ、変わってきたんだなっていうのを、すごくこちらの席から感じるので。どうですか。変わりましたか。ぜひ変わったぞっていうのがあったら教えてください。あ、そういうスタイルじゃないですよね。はい、すいません。どうですか。変わりましたか。じゃあせっかくなので山口先生、お願いします。 山口:今回、レイプドラッグの件について、最高裁では、そのくだりは名誉毀損に当たるっていうふうに言われてしまったんですけれども、詩織さんが初めて本に書いたときは、それこそアメリカのサイトを探さないとなかなかそういった記述が出てこなかったようなものについて、先日もそういった薬を用いて大学の先生が女性に対して乱暴を働いたっていう記事が出てましたけども、そういったものが、ああ、やっぱりこういう事件ではそういうものが非常によく使われてるんだなっていうことが広く知られたっていうのは、詩織さんが訴えられた成果だと思います。だから性暴力、レイプドラッグのくだりについて負けてしまったことについては非常に残念に思っているんですけれども、ただ、それに、詩織さんも先ほどおっしゃったとおり、本からは記述が削除されることになるかもしれないんですけれども、それでも訴えた意義っていうのは大いにあったっていうふうに思う次第です。