なぜ日本シリーズが面白いのか
プロ野球日本シリーズは今日27日からオリックスの本拠地のほっともっとフィールド神戸に場所を移して第6戦に突入する。3勝2敗でヤクルトが王手をかけている今シリーズは5試合中4試合が1点差の大接戦が続いておりファンの間からは「面白い」「凄い」の声が出るほど、球史に残る内容の濃いシリーズとなっている。対戦成績を五分に戻して最終決戦に持ち込みたいオリックスの第6戦の先発は“5冠エース”の山本由伸(23)。一方のヤクルトは高梨裕稔(30)が有力視されており、また緊迫感のある試合が展開されそうだ。
壮絶な1点差ゲームが4試合
過去にこれほどまでに面白い日本シリーズがあっただろうか。 前年度最下位チーム同士の対決となった今シリーズはオリックスの逆転サヨナラ勝利で幕を開けた。5試合中4試合が1点差ゲームで、しかも、3試合が逆転勝利。第2戦こそヤクルトの高橋奎が133球のプロ初となる完封勝利をマークして2-0のスコアで決着となったが、7回までは0-0の展開で、最後までどちらが勝つかわからない試合だった。 昨年までは2年連続でソフトバンクが巨人をスイープ。セパの格差を如実に示すだけで終わっていた日本シリーズが、一転して9回の最後の打者がアウトになるまでどうなるかわからない手に汗握る激戦に次ぐ激戦となっている。 なぜ今回の日本シリーズは面白いのか。 「セパの格差がなくなっていることが理由ではないか」と指摘するのは、ヤクルトOBで楽天、巨人、西武などで“参謀“を務めた経験があり現在はBCリーグの新潟アルビレックスBC監督の橋上秀樹氏だ。 「巨人がソフトバンクに2年連続でやられたときのような戦力と実力にセパの大きな格差はない。これまでは攻守にわたってセ・リーグがパワーという点でヒケを取っていたが、ヤクルト打線は、1番から8番までをしっかりと固定できていて、外国人が一発の意外性という特長を発揮するなど、山本、宮城の2枚エースを擁するオリックスに対抗できている。また投手陣も、内角球をうまく使う野村さんのID野球を継承しているインサイドワークと、狭い球場を本拠地にしていることで鍛えられている制球力というセ・リーグの野球の有利さを逆に利用してオリックス打線を翻弄している」